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花鋏
「花鋏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花鋏の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
ろう。 草花を作る人のためには大いに肩を持ってやってもよい。植木鉢をいじる人は
花鋏の人よりもはるかに人情がある。彼が水や日光について心配したり、寄生虫を相手に....
「伸子」より 著者:宮本百合子
歩かないでくれ、私ばかり、一生懸命に掃除しているんじゃないか」 「はい」 「――
花鋏をもって来てくれ」 鋏を受取りながらも、佃は念を入れて、足跡のことを繰り返....
「白椿」より 著者:海若藍平
云いながらバタバタと駈けて行きました。 しばらくすると、ちえ子さんのお母さんが
花鋏を持ってお庭に降りておいでになりました。 「まあ、お前が勉強をするなんて珍ら....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
との申しつけ、やがて出されたは黒塗りの見事な膳部に誂えの品々、別に鉢植えの茄子に
花鋏一挺が添えてある。 食道楽近頃の希望を満足して先ず高麗焼の小皿に盛られた浸....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ものなら、あとから助太刀《すけだち》と出るところなんですが、悲しいことにわたしは
花鋏《はなばさみ》よりほかに刃物を扱ったことがない女でございますから、怖《こわ》....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と、 「態《ざま》あ見やがれ」 抜打ちにした小森の面《かお》をめがけて、一挺の
花鋏《はなばさみ》を投げつけた旅人風体《りょじんてい》の男。笠を冠って合羽を着て....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
た頃の事であるから、数奇を凝らした尾彦楼の寮でさえも、鳥渡見だけだと、何処からか
花鋏の音でも聴えて来そうであって……、如何さま富有な植木屋が朝顔作りとしか、思わ....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
町家具の通りであります。 京都は金物の技もよいとされます。刃物や鋏の類がよく、
花鋏の如き古流、池の坊、遠州流とそれぞれに特色ある形を示します。よい品になると、....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
ろ》ったのが一際《ひときわ》引立って見えながら、ここもまた寂《しん》としていて、
花鋏《はなばさみ》の音も箒《ほうき》の音もしない。唯《ただ》勝手口につづく軒先《....