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「花香〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

花香の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ましたので、試みにその匂いを嗅いでみると、これが浅ましい事にはあまり上等でない梅花香の汚《し》みでした。菊路が好んで用いる髪の油は、もっと高貴な香を放つ白夢香の....
白蛇の死」より 著者:海野十三
鹿馬鹿しくもなって、其の足でぶらぶら歩いて引っ返し、千住の万字楼という家へ登って花香という女を買って遊びました。登ったのは多分十二時半か一時頃でしょう。翌朝其処....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
梵語で花酔境と訳される。そこは、遠くからみれば大乳海を呈し、はいれば、たちこめる花香のなかで生きながら涅槃に入るという、ラマ僧があこがれる理想郷である。彼らは、....
十二支考」より 著者:南方熊楠
及ぶ能わざらしめるなど至極重宝だが、持呪者食時ごとに、まず飲食をこれに与え、また花香|花鬘《けまん》等を一日欠かさず供えずば、隠れ去って用を為《な》さぬとある。....
十二支考」より 著者:南方熊楠
カマ、五種の芳花もて飾った矢を放って人を愛染す。その一なる瞻蔔迦《ちゃむばか》の花香|能《よ》く人心を蕩《とろ》かす。故に節会《せちえ》をその花下に開き、青年男....
源氏物語」より 著者:紫式部
製作がすぐれて艶で優美であると宮はお言いになった。紫の女王のは三種あった中で、梅花香ははなやかで若々しく、その上珍しく冴えた気の添っているものであった。 「この....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
ている普通な蘭であろう。 ※蘭そのものをかく書くのはどういう意味か。これはその花香にちなんでこの※の字を用いたものである。ではその※とは何か。※は香草の一種で....
植物知識」より 著者:牧野富太郎
に充《み》ち満《み》ちている。まず花弁《かべん》の色がわが眼を惹《ひ》きつける、花香《かこう》がわが鼻を撲《う》つ。なお子細《しさい》に注意すると、花の形でも萼....
小説 円朝」より 著者:正岡容
れない、下らなく悪騒々しい連中は速やかにうちの師匠のような本格の青さを加えて紫の花香もめでたく。噺に陰影《かげ》を添えることだ。 同時に、噺の筋はたしかだが青....
艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
に首斬浅右衛門の御厄介にばかりならないで命めでたく、それぞれ寄席の高座へ、残菊の花香を匂わせたことだったろう。ましてお絹は当初、鈴川小春と名乗って日本手品の名花....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
ずいずれのところに仙化して去るや、恍《こう》として一人みずから佇《たたず》む時に花香風に和し月光水に浮ぶ、これ子《し》が俳諧の郷なり(略) 蕪村はいかにして....
西航日録」より 著者:井上円了
に小艇を浮かべ、半日の清遊を試む。途上即吟一首あり。 雨過春風入野塘、烟濃水暖百花香、寒喧来往何其急、昨日冬衣今夏装。 (雨一過して春風のなか野のつつみに入る。....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
になびく青柳のかづらき山にはる風ぞふく 新古今 一 春くればまづ咲く宿の梅の花香をなつかしみうぐひすぞなく 春さればまづさく宿の梅の花ひとりみつつや春日くら....