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「芳志〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

芳志の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
後世《ごせ》安楽のために、関白殿が施主《せしゅ》となって大法要を催さるるとは、御芳志は海山《うみやま》、それがしお礼の申し上げようもござらぬ。たとい如何ほどの重....
丹下左膳」より 著者:林不忘
の名は言えぬが――に頼んでナ、ひたすら捜索してもらったのじゃ」 「ありがたき御|芳志《ほうし》、手前主人にもなれなく取りつぎまする考え、いかに感佩《かんぱい》い....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
、貴藩の御政道の明らかなる事、まことに感服に堪へたりと云ふ可し。さは云へ折角の御芳志ならば、今|些しばかり彼方の筑前領まで御見送り賜はりてむや。さすれば御役目|....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
あるので、たとえ親子夫婦の間柄でも、自分勝手に同棲することはできませぬ。そなたの芳志はうれしく思いますが、こればかりはあきらめてたもれ。逢おうと思えばいつでも逢....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
したのではないけれど、この二千疋の時には、実隆もよほど嬉しかったと見え、「不慮の芳志なり、闕乏の時分、いささかよみがえるものなり」と日記にしるした。玄清は文亀二....
開運の鼓」より 著者:国枝史郎
面のような顔をわずか綻ばして笑ったが穏かな調子でこう云った。 「どうぞあなたのお芳志をお施こしなされてくださいまし」 「容易いことです、進ぜましょう」麟太郎は袂....
紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
ござればお収めくだされい」 若衆は深く感動したが、言葉もなくて首垂れた。 「ご芳志有難くお受け申す」感情を籠めていうのであった。 その同じ夜の暁であったが、....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
ぬ木村常陸介である。充分に信頼してよかった。 で、ひき上げることにした。 「ご芳志|忝けのう存じます。ではお言葉に従いまして、立ち返ることにいたしましょう。つ....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
ていた。殺されても仕方ない」 「それで安心。……妾アどうなることかと。……でも、芳志には芳志を。……失礼ながら旅用の足しに……」 と、お浦が、胴巻の口へ手を入....
平家蟹」より 著者:岡本綺堂
みじ、四季とりどりの眺めにも事欠かず、よろずに御不自由はござりませぬ。 玉虫 御芳志は千万かたじけない。ついては玉琴。まずそなたに問いたいことがある。もしわらわ....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
取って、塩冶の奥方は涙を流して喜んだ。父に背いてこの密告を敢えてしてくれたかれの芳志は、死んでも決して忘れないと繰り返して感謝した。その感謝をうけ取るに堪えない....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
六月該場開業之|砌、各位御招待申上候御報謝として、華麗之引幕一張御恵賜被成下、御芳志之段|難有奉拝受候。就ては該場現今之光栄は申すに不及、後代之面目と相成、大幸....
五重塔」より 著者:幸田露伴
様ともろともに肩を並べて世に称わるれば、汝の苦労の甲斐も立ち親方様のありがたいお芳志も知るる道理、妾もどのように嬉しかろか喜ばしかろか、もしそうなれば不足という....
三国志」より 著者:吉川英治
それは近頃、歓ばしいことである。卿は国家の元老、特にこの董卓を招かるるに、なんで芳志にそむこう」 と、非常な喜色で、 「――ぜひ、明日行こう」と、諾した。 「....
黒田如水」より 著者:吉川英治
。 小三郎はよろこんで、翌朝、使者を以て、こう礼をつたえて来た。 「昨夜は、ご芳志の馳走に、妻子、兄弟、老臣、それらの女房子どもまでを一殿にならべ、皆楽しく、....