芸がない[語句情報] » 芸がない

「芸がない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

芸がないの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
》だろう。一時間あるくと見物する町もないような狭《せま》い都に住んで、外に何にも芸がないから、天麩羅事件を日露《にちろ》戦争のように触《ふ》れちらかすんだろう。....
坑夫」より 著者:夏目漱石
ず御前さんを復習しているんだろう。こう思えば、まことに罪のない男である。要するに芸がないからほかの事は出来ないんだが、ほかの事が出来ないんだと意識して煩悶《はん....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
。蛇の道は蛇を、一匹ひねりだせば、一呑みに勝負はつくものを。したが、それでは些か芸がない。打ち見たところ、首をかしげて、何考えるか寒の蛙の寒そうな、ちょっぴり温....
猿面冠者」より 著者:太宰治
であるから、傑作は胸のうちにありますという彼のそのせいいっぱいの言葉も、いよいよ芸がないことになる。こんなことからしても、彼が一行も書けぬだろうという解答のどん....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
さね。勝手になされ。さあ、あの娘立ったり、この爺様に遠慮は入らぬぞ。それ、何にも芸がないと云うて肩腰をさすろうと卑下をする。どんな真似でも一つ遣れば、立派な芸者....
四十八人目」より 著者:森田草平
たり鍼医になったりして、それぞれ渡世の道を立てているが、吾々は仇討専門で、ほかに芸がないから日々喰い詰める一方である。願わくば、あまり見苦しき体になり下らぬうち....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
ときに、彼女の趣味を発見することに注意した。彼女が好きであるものに誘うというのは芸がない。彼女が好きな筈であるが、まだ彼女の知らないものに誘い、感謝をうけること....
私は誰?」より 著者:坂口安吾
一足先に座談会には出席しないというカンバンをあげたので、同じカンバンをあげるのも芸がないから、仕方なしに出席するのだけれども、ろくなことはない。 林芙美子との....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
それから三人で酒をのんだが、酔ううちに、なんとか組のなんとか氏が、自分にはほかに芸がないが腕相撲だけが自慢だ、という。こいつは面白いというので、よろしい、一戦や....
火の扉」より 著者:岸田国士
たよりない希望をのこして康子は池内医院の門を出るには出たが、このまゝ家へ帰るのも芸がないので、洋裁の看板の出ている目ぼしい店を一つ二つ訪ねてみた。一軒は非常に丁....
中毒」より 著者:織田作之助
れで十分である。私は煙草を吸って来たのだ。 もっとも、そのような文句では余りに芸がないというなら、 「煙草について、私の唯一の制限は、一回に一本より余計の煙草....
随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
ほんとうの独演会なのだとまず気焔を上げた。今の奴らは一人っきりでひと晩演るだけの芸がないのだというようなこともしかしながら言ったように覚えている。聴いていてへん....