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「芽を出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

芽を出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
母子叙情」より 著者:岡本かの子
感を牽いた。 「こんな腐った髪の毛のような蔓からも、やっぱり春になると、ちゃんと芽を出すのね」 かの女は、こんな当りまえのことを考えながら、思い切って指を出し....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
じゃうじゃしてますよ。こいつがまた、地の底へもぐって、いつの時代にか、もくもくと芽を出すでしょうから、厄介なもんでさあ。」 白い犬が、何処からか帰って来た。ま....
」より 著者:島崎藤村
夫婦の若い生涯は混り始めた。やがて裏の畠に播いた莢豌豆も貝割葉を持上げ、馬鈴薯も芽を出す頃は、いくらかずつ新しい家の形を成して行った。お雪は住居の近くに、二人の....
新茶のかおり」より 著者:田山花袋
新茶のかおり 田山花袋 樹々の若葉の美しいのが殊に嬉しい。一番早く芽を出し始めるのは梅、桜、杏などであるが、常磐木が芽を出すさまも何となく心を惹く。 古葉が凋落して、新しい葉がすぐ其後から出ると....
日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
忘れてはならないのである。 植物界は動物界を支配する。不毛の地に最初の草の種が芽を出すと、それが昆虫を呼び、昆虫が鳥を呼び、その鳥の糞粒が新しい植物の種子を輸....
破片」より 著者:寺田寅彦
でしまうようである。 癌のやっかいなことは外科手術で切り取ってもすぐお代わりが芽を出す。また手術をすると生命がなくなることもある。 癌の発生する原因がまだよ....
鑢屑」より 著者:寺田寅彦
、今にも人の下駄の歯に踏みにじられるようなこんな道路の上に、このような美しい緑の芽を出すはずはない。 三 ○○町の停留場に新聞売りの子供が立....
学位について」より 著者:寺田寅彦
の声の脅威によって「学位授与恐怖病」の発生を見るに到りはしないかという心配の種が芽を出すことである。細心にして潔癖なる審査員達は「濫授」「濫造」の声に対して敏感....
古木」より 著者:豊島与志雄
は、この椎の木が生きるか死ぬか、全く不明だとのことでした。或は夏すぎて時ならぬ若芽を出すかも知れないが、それから先が全く分らないとのことでした。 夏の陽が照り....
家なき子」より 著者:楠山正雄
してきたし、自分もなにか地の上にまいてみるということに満足を感じてきた。その種が芽を出すのを見るのが、いっそうの満足であった。これはわたしの仕事であった。わたし....
小説集「聖女人像」後記」より 著者:豊島与志雄
は、だらだらと新たな時代にはいりこめるものではない。草木にしても春先には急激に若芽を出す。それは草木の決意であり跳躍である。まして人間は、常に大なり小なりの決意....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
色のものもあるそうです。 ここに不思議なるはこの血の角は毎年陰暦正月からして新芽を出すのです。その新芽の外部は一面に毛の皮で被われて居って中は全く血で骨も何も....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
の緑の 作物を掩いに降りて来る蝗を見るようだ。 余所の努力を食い潰す奴等奴。切角芽を出す 国の富を撮食で耗す奴等奴。生捕られて、市に 売られて、貿易の貨物にせら....
澪標」より 著者:外村繁
上京を進めるが、母は頑として聞き入れない。 春になると、東の裏にはうどが柔かい芽を出す。三つ葉も庭一面にはびこる。夏になると、枇杷も熟する。梅が漬け頃になる。....
赤い実」より 著者:小川未明
、たずねました。 「ええ、出ますとも、みんな草や、木の実は下に落ちてそこだけに、芽を出すものではありません。こうして、鳥にたべられて、その鳥が、遠方に飛んでいっ....