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芽出
「芽出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
芽出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「活動写真」より 著者:淡島寒月
ると、自ずと筋の上にも場面の上にも同じようなものが出来て、その結局はどれもこれも
芽出たし/\の大団円に終るようで、かえって興味がないようである。そこへ行くと、伊....
「活人形」より 著者:泉鏡花
「お録、それそれ。と得三が促し立つれば、老婆は心得、莞爾やかに高田に向いて、「お
芽出度存じます。唯今花嫁御を。……と立上り、件の人形の被を掲げて潜り入りしが、「....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
戌亥と繰出したものである。 半吉ででもある事か、大に吉は、主税に取って、一向に
芽出度ない。勿論、いかに迷えば、と云って、三世相を気にするような男ではないけれど....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
は艶麗に微笑を含みぬ。 一同目を着け、 「ほんにね。おやおや!」 「だから、お
芽出たかろうではないの。」 「そして旦那様はどなたでございます。」 「馬鹿だねえ....
「感応」より 著者:岩村透
にしてその儘に過ぎてしまった。やがてそれから月日も経って、従兄も無事に戦争から、
芽出度凱旋をしたのであった。勇ましい戦争談の末に、伯母が先夜の事を語ると、従兄は....
「画道と女性」より 著者:上村松園
て、依頼を受けてそのままになっている絵が随分あるのに、日を限った而もそのようなお
芽出度いお屏風などお引受けするのは、旧い絵が又々伸び伸びになるばかりでなく、お気....
「昔のことなど」より 著者:上村松園
のが、丁度楳嶺先生が帝室技芸員になられて近くお祝をしようということになり、こんな
芽出度い折りに塾の先輩が揃わぬのはいかぬというので、高谷簡堂などという楳嶺先生と....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
雄大尉等の武運長久を祈願す。 折から朝は赤飯そっくりの高粱入り飯なり。「これは
芽出度いぞ」と思わず声が出る。 ◯敵襲は昨日同様、烈化す。今日は京浜地区に侵入す....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
の話なんだからねえ」 お妻は、いい機嫌で室を出て行った。 「お父さん、今日はお
芽出とう御座います」 「うん、ありがとう」 「きょうは、店を頼んで、三人一緒に、....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
ハッと胸ふさがり、湧きくる泪を塞ぎ止めることができなかった。 「おん二方さま。お
芽出とう御祝詞を申上げます。あたくしも思わず貰い泣きをいたしました」 と速水女....
「死神」より 著者:岡崎雪声
分の行末までが気にかかり、こうして東京に出て来たものの、何日我が望が成就して国へ
芽出度帰れるかなどと、つまらなく悲観に陥って、月を仰ぎながら、片門前の通を通って....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
ある。けれども長堤も対岸の丘もかなり青み亘り、その青みの中に柔かいうす紅や萌黄の
芽出しの色が一面に漉き込まれている。漉き込み剰って強い塊の花の色に吹き出している....
「食魔」より 著者:岡本かの子
る少年であった鼈四郎は、これ等の人気を避けて、土手の屈曲の影になる川の枝流れに、
芽出し柳の参差を盾に、姿を隠すようにして漁った。すみれ草が甘く匂う。糺の森がぼー....
「富士」より 著者:岡本かの子
を増したという。 老いたるは、いのちを自然に還して、その肥田から若きものの芽を
芽出たしめるという。 生命の耕鋤順環の理が信ぜられた。 水無瀬女は、豊かな山....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
い画室衣を着て、余念なく絵筆を動かしている。その肩口をポンと叩いて、 「やあ、お
芽出度う。時に厨川君、君は昨日柱時計を修繕したのかい?」 「何んです? 僕には一....