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「苔桃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

苔桃の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
木という木がほとんど地面へ獅噛み付いている。そうしてその木の種類といえば石楠花、苔桃の類である。山の傾斜もかなり急で歩くに油断が出来なかった。……ひょっこり雷鳥....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
北岳の峰までの、石の草原には、深山薄雪草、深山金梅、トウヤク竜胆、岩梅、姫鍬形、苔桃などが多いが、その中で、誰の目にもつくのは、長之助草である、この偃地性の小灌....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
》色や柚子《ゆず》色や栗色や焦げ燧艾《ほくち》色など、さまざまな色の葉をつけてる苔桃《こけもも》類の叢《くさむら》。それはあたかも燃ゆる荊《いばら》に似ていた。....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、時としては野生の堅い梨《なし》のように人の舌を刺すものであり、時としては青黒い苔桃《こけもも》のような甘っぽい空疎な味であるが、しかし少なくとも大地の匂《にお....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
。蛙の子の棲めるを見て、毒水にあらざるを知る。偃松の余したる処、一面の御花畑也。苔桃、巌香蘭、岩梅、ちんぐるま草、栂桜、岩髭、千島竜胆など生いて、池中の巌石にも....
果物の幻想」より 著者:小川未明
たべたことがありました。 燕温泉に行った時、ルビーのような、赤い実のついている苔桃を見つけて、幽邃のかぎりに感じたことがあります。日光の射さない、湿っぽい木蔭....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
今は半以上も天然の面影を失ってしまった。 笹が少なくなって石楠や御前橘、岩鏡、苔桃などが下草に交って現れる。左に近く笈吊岩の絶壁を仰ぐようになると直ぐ峠の頂上....