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苗
「苗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
さ》した画を推察した。
「あの画? あれは大村《おおむら》の。」
大村は篤介の
苗字《みょうじ》だった。広子は「大村の」に微笑を感じた。が、一瞬間|羨《うらや》....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
阿媽港甚内《あまかわじんない》の話
わたしは甚内《じんない》と云うものです。
苗字《みょうじ》は――さあ、世間ではずっと前から、阿媽港甚内《あまかわじんない》....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
あさんだが、原君が「宛名《あてな》は」ときくと、平五郎さんだとかなんとか言う。「
苗字《みょうじ》はなんというんです」と押返して尋ねると、
苗字は知らないが平五郎さ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
いかも知れない。その結果それが枯れ果てたら、花屋は遠慮なくその幹を切り倒して他の
苗木を植えるだろうから。然し人間の生活の中に在る一人の人間はかくあってはならない....
「春昼」より 著者:泉鏡花
けているが、右の方は昔ながらの山の形、真黒に、大鷲の翼打襲ねたる趣して、左右から
苗代田に取詰むる峰の褄、一重は一重ごとに迫って次第に狭く、奥の方暗く行詰ったあた....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
路。白鷺城の天守、第五重。 登場人物 天守夫人、富姫。(打見は二十七八)岩代国猪
苗代、亀の城、亀姫。(二十ばかり)姫川図書之助。(わかき鷹匠)小田原修理。山隅九....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
、高坂は御経を取って押戴き、 山川険谷 幽邃所生 卉木薬艸 大小諸樹 百穀
苗稼 甘庶葡萄 雨之所潤 無不豊足 乾地普洽 薬木並茂 其雲所出 一....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
の茂りに蔽われたのに、雲の影が映って暗い。 縦横に道は通ったが、段の下は、まだ
苗代にならない水溜りの田と、荒れた畠だから――農屋漁宿、なお言えば商家の町も遠く....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
物売の、布子の円い背中なぞへ、同じ木賃宿のそこが歪みなりの角から、町幅を、一息、
苗代形に幅の広くなった処があって、思いがけず甍の堆い屋形が一軒。斜に中空をさして....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
物に行くほどの事もなさそうなもんだけれど、私は何だ。…… 董、茅花の時分から、
苗代、青田、豆の花、蜻蛉、蛍、何でも田圃が好で、殊に二百十日前後は、稲穂の波に、....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
違ござらん。私のその痴けさ加減、――ああ、御無事を祈るに、お年紀も分らぬ、貴辺の
苗字だけでも窺っておこうものを、――心着かぬことをした。」 総髪をうしろへ撫で....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
、一を聞て二三は知るほどなりしゆえ、伯父はなお身を入れてこの子こそ穂垂という家の
苗字を世に知らせ、またその生国としてこの地の名をも挙るものなれとて、いよいよ珍重....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
すくすく出張って、大きな怪物の土地の神が海の方へ向って、天地に開いた口の、奥歯へ
苗代田麦畠などを、引銜えた形に見えます。谷戸の方は、こう見た処、何んの影もなく、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
し、毎年大ぜいの木樵を辺境におくり、教師を田舎に出している。クレーン(鶴)という
苗字は彼の容姿にぴったりしていた。背は高いが、ひどく細く、肩幅はせまく、腕も脚も....
「山吹」より 著者:泉鏡花
る。丘のへりに山吹の花咲揃えり。下は一面、山懐に深く崩れ込みたる窪地にて、草原。
苗樹ばかりの桑の、薄く芽ぐみたるが篠に似て参差たり。 一方は雑木山、とりわけ、か....