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苜蓿
「苜蓿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苜蓿の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
は遊廓の南側まで歩いてきていた。往来の少ない通りなので、そこには枯れ枯れになった
苜蓿《うまごやし》が一面に生えていて、遊廓との界に一間ほどの溝《みぞ》のある九間....
「野分」より 著者:夏目漱石
驚ろいて黙ってしまった。途端《とたん》に休憩後の演奏は始まる。「四葉《よつば》の
苜蓿花《うまごやし》」とか云うものである。曲の続く間は高柳君はうつらうつらと聴い....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
た。大きな桜がある。二人《ふたり》はその下にすわった。 ここは夏の初めになると
苜蓿《うまごやし》が一面にはえる。与次郎が入学願書を持って事務へ来た時に、この桜....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ぎれに渦巻の如く無暗に歩き廻った練兵場は、曩日の雨で諸処水溜りが出来て、紅と白の
苜蓿の花が其処此処に叢をなして咲いて居た。
釧路
....
「李陵」より 著者:中島敦
《きょうど》の勢力圏に深く進み入っているのである。秋とはいっても北地のこととて、
苜蓿《うまごやし》も枯れ、楡《にれ》や※柳《かわやなぎ》の葉ももはや落ちつくして....
「博物誌」より 著者:岸田国士
降りだすと、小川は忽ち鳥肌をたてる。 彼は動く麦畑の影像を捕える。食欲をそそる
苜蓿や、小川に縁どられた牧場の影像を捕える。通りすがりに、一羽の雲雀が、あるいは....
「犂氏の友情」より 著者:久生十蘭
ぎょう》色のオローシカが咲いている。黄金色のえにしだが三角形の頭を突き出し、白い
苜蓿《うまごやし》が点々と野面《のづら》を彩っています。……鷓鴣《しゃこ》が飛び....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
道の枕木を黒く焼いて拵えた粗っぽい柵で囲まれている。その柵の根には目覚むるような
苜蓿の葉が青々と茂って、白い花が浮刻のように咲いている。私はいつかこの
苜蓿の上に....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
ぼったがやはり一日分しか出なかった。 夫の愛は日に日に新鮮だった。血の気を増す
苜蓿の匂いがした。肌目のつんだネルのつやをして居た。甘さは物足りないところで控え....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
なり、お用いになるなりなさるのが至当であって、何故ならば、この島の牛どもが喰べる
苜蓿《うまごやし》は塩気を含んでいるため、勢い牛乳も多少の塩味があるというので評....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
で見たからぬかりませんのさ。 右のね、何ですっさ。にごり屋の軒下へ車を預けて、
苜蓿のしとったような破毛布を、後生大事に抱えながらのそのそと入り込んで、鬼門から....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
薄く明って、平らかに、また何かの影も映していた。そうして周りの、紫の玉を綴った紅
苜蓿や、四つ葉の黄の花の馬肥やとすれすれに落ちついたいい静まりを匂わしていた。あ....