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「若い衆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

若い衆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
んでいた。 店の中には客が二人、細長い卓《たく》に向っていた。客の一人は河岸の若い衆、もう一人はどこかの職工らしかった。我々は二人ずつ向い合いに、同じ卓に割り....
星座」より 著者:有島武郎
を二十九年になもし、台湾で死なしてから、一人ぽっちになりましたけに、世話をしとる若い衆がどれも我が子同様に思われてな、すまんことじゃけれどなもし。それゆえ離れる....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
くださいましよ。いやはや、意気地はありません。これさ馬丁《べっとう》さんや、もし若い衆《しゅ》さん、なんと顛覆《ひっくりかえ》るようなことはなかろうの」 御者....
雛がたり」より 著者:泉鏡花
。 時に蒼空に富士を見た。 若き娘に幸あれと、餅屋の前を通過ぎつつ、 ――若い衆、綺麗な娘さんだね、いい婿さんが持たせたいね―― ――ええ、餅屋の婿さん....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
、こりゃ詰らない事ですけれども、弱ったには弱りましたよ。…… 確か三人づれで、若い衆が見えました。やっぱり酒を御持参で。大分お支度があったと見えて、するめの足....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
「こないだ山田の新町から住替えた、こんの島家の新妓じゃ。」と言いながら、鼻赤の若い衆は、覗いた顔を外に曲げる。 と門附は、背後の壁へ胸を反らして、ちょっと伸....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
咲く名所とて、廂の霜も薄化粧、夜半の凄さも狐火に溶けて、情の露となりやせん。 「若い衆、」 「らっしゃい!」 「遊ぶぜ。」 「難有う様で、へい、」と前掛の腰を屈....
南地心中」より 著者:泉鏡花
り十段も見劣りがしたって訳は。…… いずれ妾だろう。慰まれものには違いないが、若い衆も、(御寮人、)と奉って、何分、旦那を頼む、と云う。 取巻きの芸妓たち、....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
そうして、翌日になったら一所に行って言訳をしましょうよ。私でも、それでなきゃ誰か若い衆でも着けてあげてね、そして伯母さんにお詫をしたら可いでしょう。」 「可いよ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
爪立つがごとくにして、しかも肩腰は造りつけたもののよう、動かざること如朽木。 「若い衆の愚痴より年よりの愚痴じゃ、聞く人も煩さかろ、措かっしゃれ、ほほほ。のう、....
取舵」より 著者:泉鏡花
行き、疲れたる船子の握れる艪を奪いて、金輪際より生えたるごとくに突立ちたり。 「若い衆、爺が引受けた!」 この声とともに、船子は礑と僵れぬ。 一|艘の厄介船....
清心庵」より 著者:泉鏡花
からいまのさき、私が田圃から帰りがけに、うつくしい女衆が、二人づれ、丁稚が一人、若い衆が三人で、駕籠を舁いてぞろぞろとやって来おった。や、それが空駕籠じゃったわ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
って、愛吉は下駄を脱いで飛蒐った、勢に恐れて伝六はたじたじと退ったが、附いていた若い衆がむらむらと押取り包んで、胴上げにして放り出した。 愛吉は足も立たず、腰....
式部小路」より 著者:泉鏡花
房も振返ったが、受け取った剃刀をそのまま、前垂を挟んで、粋に踞み、 「何、町内の若い衆かい。」 「じゃ、おかみさん、こっちじゃ御存じないんですか。」 「見た事も....
註文帳」より 著者:泉鏡花
っちゃあ不可い車夫が日本人だろうじゃあないか。雪の積った泥除をおさえて、どこだ、若い衆、どこだ、ここはツて、聞くと、御串戯もんだ、と言うんです。 四ツ谷へ帰る....