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若やか
「若やか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
若やかの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街」より 著者:宮本百合子
か」 「一昨日、マダム・ブーキンにお目にかかりました――いつも美しい方だ――実に
若やかな夫人です」 マリーナは肱で、ダーリヤの横腹を突いた。 「あの方は一遍、....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
いうもの、これも残されたる江戸趣味の一つで、無雑作に投げ入れた菖蒲葉の青々とした
若やかな匂い、浴しおえて出で来る吾も人も、手拭に残るその香を愛ずれば、湯の気たち....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
この肌を見給え、この地鉄《じがね》を見給え、昨日|湯加減《ゆかげん》をしたような
若やかさ」 「拙者には名刀といわず、無名刀といわず、手に合うたものがよろしい」 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を出発しましたが、その馬力のかかった足許の躍《おど》り方までが、いつもより違った
若やかさを感ずるのは、不思議と思われるばかりです。 今までの七兵衛は、千里を突....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かけて、 お月様いくつ 十三七つ まだ年は若いな―― と、満腔《まんこう》の
若やかな親しみを寄せるけれども、新月を見て、そういう親しみを持ち得る子供はない。....
「源氏物語」より 著者:紫式部
めなく満ち干《ひ》る潮ののどけからぬに と紙に書いていた。貴女らしくてしかも
若やかに美しい人に源氏は満足を感じていた。 今日も町には隙間《すきま》なく車が....
「お女郎蜘蛛」より 著者:宮本百合子
を開けては特別に作られた女のそばによって居た。 男達の心を取り血をしぼって女は
若やかにますますその肌は白く髪は黒く目はかがやいて来た。特別に作られた女を美くし....
「水の女」より 著者:折口信夫
れた女神は、とようかのめの一面である。 出雲の古文献に出たみぬまの若いと同様、
若やかに生い出ずる神とでも説くべきであろう。 思うに、みつはに中臣女のような為....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
るみもついて来て、自分で新しくそれを感覚するようなときの初夏には、云うに云えない
若やかなものがあって面白い感情です。自然のうつりかわりが実に生々と新鮮によろこば....
「大橋須磨子」より 著者:長谷川時雨
けれども、おしかさんもまだ水々した年増《としま》だ。四十を越したとは、思われない
若やかさであったが、しかし、おしかさんと須磨子さんとの間には、十代の差があるよう....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
でて、さながらに立ち振舞へかし。
汝達の列のめぐりに漂へる、奇しき息に、
我胸は
若やかに揺らるゝ心地す。
楽しかりし日のくさ/″\の象を汝達は齎せり。
さて許....
「若き姿の文芸」より 著者:小川未明
来上ったものに対して、等しく吾人に与えなければならぬものがあると思う。 即ち『
若やかな姿』である。是れ芸術品の吾人に与える本来の感じであると思う。無興味、無理....
「草木の暗示から」より 著者:小川未明
であります。 しかし、今の世の中で、この春に遇って、木々の咲く、花を眺め、この
若やかな、どんな絵具で描いてみても、この生命の跳る色は出せないような、新緑に見入....
「机前に空しく過ぐ」より 著者:小川未明
き甲斐の多き、雄壮な人生が控えていたとはいえ。自分にとって最も、美しい幻の如く、
若やかな、そして熱い血の胸に躍った、なやましい日のつゞいた、憧がれ心地に途をさ迷....
「童話の詩的価値」より 著者:小川未明
の世界――これが即ち童話であります。 永遠に対する憧れと、はかない、しかし常に
若やかな美と、この生活の慰藉とを、私は、自ら童話の世界に於て求めるより他に途のな....