若人[語句情報] » 若人

「若人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

若人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
乞食学生」より 著者:太宰治
は 歎くのみ ああ移り行く世の姿 ああ移り行く世の姿 塵をかぶりて若人の 帽子《かむり》は古び 粗衣は裂け 長剣《つるぎ》は錆《さび》を ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ね」 「そうよ、お前」長造は、ふりかえって店の前を眺めたが、警戒場所に急ぐらしい若人の姿を、幾人も認めた。 「なんしろ、警戒管制になったんだもの」 「警戒管制で....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
と早乙女主水之介|薫陶の揚心流当身のものすさまじさ! 夜目にも玉をあざむく二人の若人の腕ののびるところ、鬼をもひしぎそうな大男の浪人姿がつぎつぎとたおれて、うし....
ルバイヤート」より 著者:小川亮作
なんでけがれ*がある、この酒甕に? 盃にうつしてのんで、おれにもよこせ、 さあ、若人よ、この旅路のはてで われわれが酒甕とならないうちに。 (69) 昨日壺....
死者の書」より 著者:折口信夫
大抵、女部屋の老女たちが、引ったくって渡させなかった。そうした文のとりつぎをする若人―若女房―を呼びつけて、荒けなく叱って居る事も、度々見かけられた。 其方は、....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
って了うのでした。これにはむろん訳があったのでございます。親戚の、幼馴染の一人の若人……世間によくあることでございますが、敦子さまは早くから右の若人と思い思われ....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
カトであったのを古義でケダシ・キミカトと訓んだ。「若雲」(巻十二・二九二九)、「若人見而」(巻十六・三八六八)の例がある。なお額田王の「古に恋ふらむ鳥は霍公鳥蓋....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
の中の古い鉄の釜からぶくぶくと湧いている水をじっと見ていた。彼は「いざ、乙女よ、若人よ。(註六五)」と口笛を吹いていた。 シルヴァーは丘を登って来るのに恐しく....
貞操問答」より 著者:菊池寛
かにも美青年らしく見えたが、この青年はいかにも健康な、スポーツででも鍛えたらしい若人という感じがした。 話しぶりも、明るくて、気が置けなかった。 新子も、本....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ても、姫はその中に、唯一人の色身の幻を描いたに過ぎなかった。しかし残された刀自、若人たちのうち瞻る画面には、見る見る数千の地涌の菩薩の姿が、浮き出てきた。それは....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
場の左側の羽目板を背負って、町人とも見えれば遊び人とも見え、浪人とも見える一人の若人が、陰険らしい眼つきをして、紋也の一挙手一投足を、心ありそうに眺めていたが、....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
。がら者がわるいので、茂吉のせいでは、ほんとうの処はないのである。 私は、気鋭の若人どもの間に行き渉って居る一種の固定した気持ち、語を換えて言えば、宗匠風な態度....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
燐鉱などをはち切ればかりに積んで、いま北東貿易風にのり赤道を越えようとしている。若人のあこがれ、海のロマンチシズムは帆船生活にある。順風に、十度ほど傾いではしる....
味覚馬鹿」より 著者:北大路魯山人
富者の好む料理、貧者の料理、サラリーマン級の料理、都会料理、田舎料理、老人好み、若人好み、少年少女向き、病人向き……。すべからく料理をつくる者は、この別を心得、....
フランス料理について」より 著者:北大路魯山人
、ぶつかったこともなければ、気にもんだこともなさそうなひとたちばかりである。その若人によって、むやみと誇大に、フランス料理は日本人に宣伝されてしまったらしい。い....