若侍[語句情報] »
若侍
「若侍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
若侍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
別して、老婆の目をひいたのは、その小屋の前に、腕を組んでたたずんだ、十七八の
若侍で、これは、朽ち葉色の水干に黒鞘《くろざや》の太刀《たち》を横たえたのが、ど....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
》、妙国寺《みょうこくじ》の財宝《ざいほう》を掠《かす》めたと云う、前髪の垂れた
若侍、――そう云うのを皆甚内とすれば、あの男の正体《しょうたい》を見分ける事さえ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
甚太夫は竹刀《しない》を執《と》って、また三人の侍を打ち据えた。四人目には家中の
若侍に、新陰流《しんかげりゅう》の剣術を指南している瀬沼兵衛《せぬまひょうえ》が....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
付、小倉の馬乗り袴、朱鞘の大小の長いのをぶっ込んで、朴歯の高い下駄をがらつかせた
若侍が、大手を振ってはいって来た。彼は鉄扇を持っていた。悠々と蒲団の上にすわって....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
一人に矢柄喜兵衛という男があった。名前はなんだか老人らしいが、その時はまだ十九の
若侍で御馬廻りをつとめていた。父もおなじく喜兵衛といって、せがれが十六の夏に病死....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
之丞というのは、帯刀から云えば、亡友高松半左衛門の遺児で、同じ旗の本に集っていた
若侍、また岡引虎松から云えば、世話になった故主半左衛門の遺した只一人の若様だった....
「池袋の怪」より 著者:岡本綺堂
実家へ一先お引移りという始末。この事、中屋敷下屋敷へも遍く聞え渡ったので、血気の
若侍共は我れその変化の正体を見届けて、渡辺綱、阪田公時にも優る武名を轟かさんと、....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
な、半|耄碌の老人の詰めているのが多いのであるが、ここには「筋骨たくましき血気の
若侍のみ詰めいたれば、世の人常に恐れをなしけり」と原文に書いてある。その血気の若....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
の大川に臨む旅籠屋半田屋九兵衛の奥二階。欄干に凭れて朝日川の水の流れを眺めている
若侍の一人が口を切った。 「どうもこうした景色の好い場所に茶屋小屋の無いというは....
「父の怪談」より 著者:岡本綺堂
ことがある。石はみな玉川砂利のような小石であった。これが上屋敷にもきこえたので、
若侍五、六人ずつが交代で下屋敷に詰めることになったが、石は依然として落ちてくる。....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
に言った。「むむ、やっぱりあやつじゃ。采女じゃな。くどいようじゃが御坊、姫はその
若侍と連れ立って見えたのではござらぬか。姫は一人、侍は一人、別々にここをたずねて....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
話に、 奥州会津|諏訪の宮に朱の盤という恐しき化物ありける。或暮年の頃廿五六なる
若侍一|人、諏訪の前を通りけるに常々化物あるよし聞及び、心すごく思いけるおり、又....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
売ってござった、そこへ通りかかって両方で見初めたという悪縁じゃ。男の方は長州藩の
若侍。 それが物変り星移りの、講釈のいいぐさじゃあないが、有為転変、芳原でめぐ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
者は思った。さきに「近世怪談録」を見ているほどだから、その浅草新堀の西福寺うらの
若侍とおなじく、横路地で冷たい手、といった時、もう片手きかないほどに氷ったのでは....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
の或年の正月、父は川向うへ年始に行き、帰りに両国橋を渡って来ると少しも見知らない
若侍が一人偶然父と道づれになった。彼もちゃんと大小をさし、鷹の羽の紋のついた上下....