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若干
「若干〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
若干の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
を貰い、上総《かずさ》の或海岸にある両親の家へ帰った上、月々文太郎の養育料として
若干の金を送って貰う、――彼はこういう条件に少しも異存を唱えなかった。のみならず....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
我の口髭《くちひげ》のように年齢と共に生ずるものではない。我我は良心を得る為にも
若干の訓練を要するのである。
*
一国民の九割強は一生良心を持たぬもの....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
がある。……大通り四《よ》ツ角《かど》の郵便局で、東京から組んで寄越《よこ》した
若干金《なにがし》の為替《かわせ》を請取《うけと》って、三《み》ツ巻《まき》に包....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
――――――――――――――― ここで一言付加えておきたいことは、この改訂版で
若干の補遺と修正を加えたことである。これはその後にこの方面に関して現われた文献と....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
昭和十五年五月二十九日京都義方会に於ける講演速記で同年八月
若干追補した。 戦争は武力をも直接使用して国家の国策を遂行する行為であります。....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
体主義」と混同され、文章全体の趣旨を誤解せしむる惧れありとの忠告を受けた。ここに
若干の説明を加えて誤解なきを期したい。 近代社會は專制、自由、統制の三つの段....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
を一臠箸で挟んで、鼻のさきへぶらさげて、東京じゃ、これが一皿、じゃあない、一臠、
若干金につく。……お前たちの二日分の祭礼の小遣いより高い、と云って聞かせました。....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
のお通の召使が、未だ何人も知り得ざる蝦蟇法師の居所を探りて、納涼台が賭物したる、
若干の金子を得むと、お通の制むるをも肯かずして、そこに追及したりしなり。呼吸を殺....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
るよりは、多少|色艶っぽいその柏屋へと極めたので。 さて、亭主の口と盆の上へ、
若干かお鳥目をはずんで、小宮山は紺飛白の単衣、白縮緬の兵児帯、麦藁帽子、脚絆、草....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
たるばかり、面目なきながら深沢に話せば、これも仰天し、「実は伯父ご様の御文中にも
若干の学資を持たせ遣したりとあれば、それを此方へ御預かり申さんとは存ぜしが、金銭....
「瘤」より 著者:犬田卯
とつ……」 「そうよな、でも、どうせ、俺なんか酒はあんまりやらんし、瘤のエロ話も
若干ぞっとせんからな。」 「ぞっとするようなことも
若干いうんだよ、あれで……」 ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
「軽少でございますが、どうぞお納を。」 と見ると金子五千疋、明治の相場で拾円|
若干を、故と古風に書いてある。 「ああ、こういうことをなすっては可けません、その....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
く二階にはお寝かし申さないようにしているんだからね。」 気懸なのはこればかり。
若干か、お銭にするだろう、と眼光|炬のごとく、賭物の天丼を照らした意気の壮なるに....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、何のかのって、煩いから。……明後日――時間前にさえ楽屋へ行けば可いんです。――
若干金か、旅費を出して、東京から私を呼ぶったって……この土地の人は、土地流の、土....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
欧州大戦の変化とともに軍事上最も興味深い研究なるべしと信じ、両名将の研究に要する
若干の図書を買い集めたのであった。 明治の末から大正の初めにかけての会津若松歩....