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「若旦那〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

若旦那の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
子は急に常談《じょうだん》を言う寛《くつろ》ぎを感じた。 「じゃ立派《りっぱ》な若旦那様なのね。」 「ええ、ただそりゃボエエムなの。下宿《げしゅく》も妙なところ....
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
家《うち》へ帰って来た。半月ばかりするとある日、おやじの代から使っていた番頭が、若旦那に手紙を一本書いて頂きたいと云う。五十を越した実直な男で、その時右の手の指....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
の病気が悪くなって来はしないかと云う、迷信じみた惧《おそ》れも多少はあった。 「若旦那様《わかだんなさま》、御電話でございます。」 洋一はやはり手をついたまま....
将軍」より 著者:芥川竜之介
、猪首《いくび》の町人と酒を飲んでいた。年増は時々|金切声《かなきりごえ》に、「若旦那《わかだんな》」と相手の町人を呼んだ。そうして、――穂積中佐は舞台を見ずに....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
お敏の一件で、聞けば昨夜遅くなってから、泰さんの所へお敏が来た。そうして是非一度若旦那に御目にかかって、委細の話をしたいのだが、以前奉公していた御店へ、電話もま....
聖書」より 著者:生田春月
巻だ。女中さんは妙にくすりと云ったような微笑をうかべて僕の手つきを見て、それから若旦那の方を見て、 「あの、御用でございますか?」 「あのね、奥の居間の押入にね....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
って、久しぶりで帰ったんです。 水菓子屋の奥に居たもんですから、内へも来たわ。若旦那って才ちゃんが言うのよ。お父さんはね、お侍が浪人をしたのですって、――石橋....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
はない。第一、其許なども知る通りよ。姫様は、それ、御縁者、白山の剣ヶ峰千蛇ヶ池の若旦那にあこがれて、恋し、恋しと、そればかり思詰めてましますもの、人間の旱なんぞ....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
、別嬪に。……それだよ、それが小春さんだ。この土地の芸妓でね、それだで、雑貨店の若旦那を、治兵衛坊主と言うだてば。」 「成程、紙屋――あの雑貨店の亭主だな。」 ....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
時は私だって、浴衣に袷じゃ居やしない。 着換えに紋付の一枚も持った、縞で襲衣の若旦那さ。……ま、こう、雲助が傾城買の昔を語る……負惜みを言うのじゃないよ。何も....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
生命がけ二年|越に思い詰めている技手の先生……ともう一人は、上州高崎の大資産家の若旦那で、この高島田のお嬢さんの婿さんと、その二人が、いわれあって、二人を待って....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
手に提げて「ああ敷居が高い、敷居が高い、(鳥居さえ飛ぶ癖に)階子段で息が切れた。若旦那、お久しゅう。てれかくしと、寒さ凌ぎに夜なしおでんで引掛けて来たけれど、お....
三枚続」より 著者:泉鏡花
がかえって気の毒になる位、別段腹も立てなければ愛想も尽かさず、ただ前町の呉服屋の若旦那が、婚礼というので、いでやかねての男振、玉も洗ってますます麗かに、雫の垂る....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
若衆)に当る、土地では(小桜)……と云うらしいが浅葱桜で、萌黄に薄藍を流した鰤の若旦那。こう面白ずくに嵩にかかると、娘の目に友染切で、見るものが欲しくなる。 ....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
の気取ったのが、ずかずかとそこへ出て来て、 ――やあ、親仁。―― ――これは若旦那様。―― ――僕の学校の教授がね、教授、教授がね、親仁の作を見て感心をし....