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若楓
「若楓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
若楓の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
その時我々は郵便局の前に出ていました。小さい日本建《にほんだて》の郵便局の前には
若楓《わかかえで》が枝を伸《の》ばしています。その枝に半ば遮《さえぎ》られた、埃....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
しかし今日考えて見れば、それは今人を罵るよりも確かに当り障りのなかった為である。
若楓
若楓《わかかえで》は幹に手をやっただけでも、もう梢《こずえ》に簇《むら....
「斜陽」より 著者:太宰治
、つぎの山吹の花枝を折ろうとすると、その枝にも、まきついていた。隣りの木犀にも、
若楓にも、えにしだにも、藤にも、桜にも、どの木にも、どの木にも、蛇がまきついてい....
「源氏物語」より 著者:紫式部
たのである。 気にかかる玉鬘を源氏はよく見に行った。しめやかな夕方に、前の庭の
若楓と柏の木がはなやかに繁り合っていて、何とはなしに爽快な気のされるのをながめな....
「日記」より 著者:宮本百合子
咲き満ちた。 ○白鳩の若き翼に夏の日の 黄金の色に舞ひ舞ひてあり ○
若楓の青きを恋ひてしたひよれば 黒き毛虫は我肩を這ふ ○梨の葉の云ふ甲....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
けり 鮓桶《すしをけ》をこれへと樹下の床几《しゃうぎ》かな 三井寺や日は午に逼る
若楓《わかかへで》 柚《ゆ》の花や善き酒蔵す塀《へい》の内 耳目肺腸こゝに玉巻く....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
貴方のものです!)
白い襟あしは、武蔵の目に、そう訴えているようだった。辺りの
若楓の樹は、浅いみどりでここの場所を人目から隠している。
とうとうものが武蔵の....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
んか」 と、いった。獄舎、白洲のあるこの役邸にも、中庭があり、ぬれ縁の外には、
若楓のみずみずしい梢に、夏近い新鮮な木もれ陽がそよいでいた。 石の井筒井から、....