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若様
「若様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
若様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
「まあ、御精《ごせい》が出ますこと。――坊ちゃんはどうなさいました?」
「うちの
若様?
若様は今お休み中。」
女は編針《あみばり》を休めたまま、子供のように微....
「星座」より 著者:有島武郎
訴えようもないような醜いことだった。さらにさらに、それにも増して苦しかったのは、
若様といわれるその家の長男の情けだった。その人は誰が見ても綺麗な男というような人....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
んなら、もうちっと君、遊蕩を控えて貰いたいね。 昨日も君の母様が来て、つくづく
若様の不始末を愚痴るのが、何だか僕が取巻きでもして、わッと浮かせるようじゃないか....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
います。美しいかどうかは存じませんけれど、異った支度には違いないのでございます。
若様、かねてのお望みが叶いまして、今夜お輿入のございます。若奥様が、島田のお髪、....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
集っていた若侍、また岡引虎松から云えば、世話になった故主半左衛門の遺した只一人の
若様だった。半左衛門亡き後のこととて、虎松は陰になり日向になり、この年若の半之丞....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
のに、いかなこッても、酢蛸を食りたいなぞとおっしゃって、夜遊びをなすって、とんだ
若様でござります。どうして婆々が家の一膳飯がお口に合いますものでござります。ほほ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
しやかな小間使は、今座に直った勇美子と対向に、紅革の蒲団を直して、 「千破矢様の
若様、さあ、どうぞ。」 帽子も着たままで沓脱に突立ってた滝太郎は、突然縁に懸け....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
段の下に伏しまろび、一|生懸命泣き乍ら祈願するのでした。―― 『小櫻姫様、どうぞ
若様の生命を取りとめて下さいませ……。私の過失で大切の
若様を死なせて了っては、ド....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
ころで、癩病の筋なんか全く困る」 「それはそうで御座いますねえ」 「どうも世継の
若様が眉毛が無くッては、二千八百石は譲られない」 家の相続、系統上の心配は、現....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
沢本 (諢名、生蕃) │ 戸部 (諢名、ドモ又) ├若き画家 瀬古 (諢名、
若様) │ 青島 ┘ とも子 モデルの娘 処 画室 ....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
か。 私は金が自由になるのと身分があるのとで、どこへ行っても大いにもてました。
若様々々と大切にされ、いい気持になって遊び暮らして、果ては外泊する事さえあるよう....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
びるような微笑を遠くの方から送ります。上海は京都よりもずっと若く、いかにも富豪の
若様というような風采の人でした。勿論東洋人ではありません。K夫人の表情はこの男に....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
手が私だもの」 「何だって?」 「世界的のスリの名人を向へ廻しちゃ、いくら平松の
若様だッて、敵いッこありゃしない」 「フム、やっぱり君だったのか。多分、そんな事....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
嫌を損じ、遂々お暇を出されてしまいました。 半年後、お家附きの奥様は玉のような
若様をご安産遊ばしました。一日違いで、花もまた男児を産みました。同じ父君を持ちな....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
は直接私に交渉してくれと頼むと、彼女は非常に立腹し、飛んでもないことを仰しゃる、
若様から頼まれるのでお断りも出来ず、仕方がなしに必要もないのに買って上げているの....