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若死に
「若死に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
若死にの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
したのは、その御勘気中で京へお帰りあそばす事はできなかったのです。まだ二十六のお
若死にでございました。 良寛 玉日様と申してお美しいかたでございました。それから....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
めいめいにお義理をつくしていらっしゃいましたが、そのうちに、若郎子皇子がふいにお
若死にをなすったので、大雀命もやむをえず、ついにお位におつきになりました。後の代....
「源氏物語」より 著者:紫式部
おありになるが宇治へお出かけになることは困難であった。こう煩悶ばかりをしていては
若死にするほかはあるまいと命の心細さまでもそれに添えてお歎かれになった。 薫は....
「源氏物語」より 著者:紫式部
を過ごしておりましたが、こんなことをひとつお聞きください。昔も御承知のあの山里に
若死にをしました恋人と同じ血統の人が意外な所に一人いると聞きまして、昔の人の形見....
「悲しめる心」より 著者:宮本百合子
た可愛そうな首人形はどこに居るんだろう。 出て来て呉れる気はないかい。 彼の
若死にをした妹のおかたみになってくれる気はないかい。 何か戸棚を見つけものをし....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
すまい」 「ふうん」と又も参ってしまった。「そんなに数がねえのかなあ」 「ひどく
若死にをしましたのでね」 「その死に方も変だったそうだな」 「よくご存知で、衰死....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
う少しく兄上におかれまして、ご自重なされてくださればよいにと」
「小次郎やお前は
若死にしそうだねえ」どうしたものか姉の鈴江は、不意にこういって、小次郎を見据えた....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
低いきまじめな声だ。
「古い思い出は、いつもしめっぽいものじゃて。おゆうさんは、
若死にだった」
おゆうというのは、お高の母であった。お高は一度に、小女《こども....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
およそ六十名もありますが、その中には名の落ちた人もありましょう。有為の材を抱いて
若死にしたものもあります。また天性に従って一家を為した人もあります。こういう人々....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
ても、とにかく俺が死なねばならぬというのは悲壮な事実だよ。死にさえすれば、ことに
若死にさえすればたいていの奴は天才になるに決まっているんだ。(石膏面をながめなが....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
合格となった。(永見はその後参謀部の有数な秀才と歌われていたが、惜しい事に大尉で
若死にしてしまった。福島大将と同時代であったそうだ。)二葉亭は運悪く最初の首途に....
「廃墟(一幕)」より 著者:三好十郎
だった。うむ。もっとも、そのために苦労が内にこもってしまって――つまり内攻して、
若死にしてしまった。そう言っちゃなんだが、君達の親父なんて言うもなあ、学者だかな....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、嘲われもしようが、この兼好にも、あんた方のように、恋をした覚えがある。が、女は
若死にしましたわい。こんどの旅も、まったくは、伊賀にある女の墓へ、会いに行った帰....
「無宿人国記」より 著者:吉川英治
う事は、さる人から、聞いていた。――その母という人は、美人ではあったが、癆咳で、
若死にをしたという話も……」 夜具の襟が、さめざめと、ふるえるのだった。丈八郎....