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「若水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

若水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
永日小品」より 著者:夏目漱石
へ懸けると、暗澹《あんたん》として何が画《か》いてあるか分らない。老人はこれを王若水《おうじゃくすい》の画いた葵《あおい》だと称している。そうして、月に一二度ぐ....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
日と七草 正月は三ヶ日が江戸ッ児の最も真面目なるべき時だ。かれらは元日の黎明に若水汲んで含嗽し、衣を改めて芝浦、愛宕山、九段、上野、待乳山などに初日の出を拝し....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
おろし筆は有合せの絵筆細筆で間に合せ、硯の水は塾生が早朝に汲み上げて呉れた井戸の若水を用い、それから棚に向って用紙の品しらべをやり出した。 棚には十年も前から....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
も云ったが、なお巻十三には、「天橋も長くもがも、高山も高くもがも、月読の持たる変若水、い取り来て君に奉りて、変若得しむもの」(三二四五)、反歌に、「天なるや月日....
水の女」より 著者:折口信夫
る川岸、こち方のふる川ぎしに生立の水のいや復元に、み変若まし、……」とある中の「若水沼間」は、全体何のことだか、国学者の古代研究始まって以来の難義の一つとなって....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
風にゆれる陽かげがおどって居ります。 この春はよき春なりとのらすれば妻も勇みて若水を汲む このなますたうべさせたき人ぞあり俎の音冴ゆる厨べ 三十一日の五時....
詩想」より 著者:国木田独歩
つの一つを石多く水少なく風|勁く土焦げたる地にまき、その一つを春風ふき霞たなびき若水流れ鳥|啼き蒼空のはて地に垂るる野にまきぬ。一つは枯れて土となり、一つは若葉....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
に釈迢空さんの『死者の書』によって作られた。鶴見のためには、この書がたまさかに変若水の役目を果すことになったのである。 しかし若返るといっても、ただそれだけで....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
家山崎氏の旧蔵品で、私は前にこれを同家から購求したものであった。同時に同家所蔵の若水《じゃくすい》本『本草綱目《ほんぞうこうもく》』もまたこれを買い求め、これは....
カキツバタ一家言」より 著者:牧野富太郎
ない)すなわちハナミョウガ(ショウガ科)であると考定して発表した。 次いで稲生若水、小野蘭山などの学者が出て、今度は杜若はカキツバタでもまたハナミョウガでもな....
随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
んざらでもなかったのだともまたいえよう。柳水亭はその後、勝岡演芸場となって晩年の若水美登里などの安芝居の定席となり、のち東宝系の映画小屋となってしまったが、電車....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
声が、木枯らしの洩るように響いてくる。 叔母は、もう除夜の鐘もすんで、これから若水でも汲もうという元日早々、もし忌わしい血でも見るようなことになってはと、いか....
私本太平記」より 著者:吉川英治
初春の夢占もよからん気がするぞ。なあ右馬介、もう寝るまもあるまい。宿所へ戻って、若水でも汲むとしようよ」 やがて二人の姿が帰って行った先は、北ノ六波羅の一|郭....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
正月神祭の役をする者は、主人以外にどういう人がなるか。およびその名称と役目。 九若水迎え 元旦未明に春の初水を汲みに行く作法|如何。水の餅とこれに伴なう信仰。 ....
歳棚に祭る神」より 著者:柳田国男
。東京などでは豆をまくのが年男のように思っており、堅い家風の家でも、新しい手桶に若水を汲むまでを年男の役にしているだけだが、信州越後その他の村では、中々容易でな....