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若盛り
「若盛り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
若盛りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
て、奥から姿を見せた者は女あるじの後見をしているといった番頭十兵衛です。年は今が
若盛りの二十七、八。のっぺりと白すぎるほどに白いその顔を見迎えながら、名人はじっ....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
ず」で、殴った奴は蟻、自分は大きな白牡丹と納まりかえったのである。が、此時はまだ
若盛り、二十六七、せいぜい二十八である。まだ泰平の世では無い、戦乱の世である。少....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
たというほどだから、どんなに美しい女だったかはほぼ想像することが出来る。二十七の
若盛りで亡くなったので、冒氏は哀惜のあまり、自分の手でこの女の思い出を書き残して....
「連環記」より 著者:幸田露伴
赤染右衛門も二十幾歳、子の挙周は生れていたか、未だ生れていなかったか知らないが、
若盛りの夫婦で、女貌郎才、相当って居り、琴瑟こまやかに相和して人も羨む中であった....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
えば、今を去ること六十四年の昔になる、その当時は、このお爺さんも二十二歳といった
若盛りだが、それにしても古い話だ―― と、また呆《あき》れましたが、しかし、古....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
踊りを見せて進ぜるのだが』と言うのさ、それがまたなんの踊りだと思うね? 『わしも
若盛りにはずいぶんいろんなまねをしてきましたわい』だとよ、それに、あの人はジェミ....
「犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
片意地な欲望が、そういった貪婪きわまる表情が、さっと閃めく二、三の女。これはもう
若盛りを過ぎた、むら気で無分別で権柄がましい、いささか智慧の足りない連中で、グー....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
見ていて、陰気な顔をしながら頭を振った。 「いや、いや、いや。あなたは若過ぎる。
若盛り過ぎる。そんなことはあるはずがない。この囚人がどんなになっているか見て御覧....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
之丞殿、ちょっとこちらへ」 主計は奥の間へ呼び入れた。 「さて其許も二十二歳、
若盛りの大切の時期、文武両道を励まねばならぬ。時々参られるのはよろしいが、あまり....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
いる、江戸の二人の侍のうち、一人がこういうと微笑した。名は観世銀之丞、二十一歳の
若盛りで、柔弱者と思われるほど、華奢な美しい男振りであった。もう一人の武士はこれ....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
一切わかりません。」 わたしは夫人の若いときを知らないが、今から察して、彼女の
若盛りには人並以上の美貌の持主であったことは容易に想像されるのである。その上に相....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
舞台顔の持主があったかどうかと疑われるくらいであった。揚巻は後の五代目歌右衛門の
若盛りであるから、それも改めて説明するまでもあるまい。 田村成義翁の語るところ....
「源之助の一生」より 著者:岡本綺堂
去って大阪へ下るまでの十年間であった。即ち彼が二十四歳の冬より三十三歳の夏に至る
若盛りであった。 今日では劇界の情勢も変って、このくらいの年配の俳優は、いわゆ....
「古事記」より 著者:太安万侶
歌、 日下江《くさかえ》の入江に蓮《はす》が生えています。 その蓮の花のような
若盛りの方は うらやましいことでございます。 そこでその老女に物を澤山に賜わ....
「かもめ」より 著者:神西清
ーリン さあ、なんと言ったものかな? ほかにも原因はあったろうさ。論より証拠――
若盛りの頭のある男が、草ぶかい田舎ぐらしをしていて、金もなければ地位もなく、未来....