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「若竹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

若竹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
片恋」より 著者:芥川竜之介
ぼ》さ。可笑しいだろう。いくら片恋だって、あんまり莫迦《ばか》げている。僕たちが若竹へ通った時分だって、よしんば語り物は知らなかろうが、先方は日本人で、芸名|昇....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ませんが、まったく実録なんですからその積りで聴いてください。その人形使いのうちに若竹紋作と吉田冠蔵というのがありました。紋作はその頃二十三、冠蔵は二十八で、どっ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ら行違った土地の豆腐屋、八百屋、(のりはどうですね――)と売って通る女房などは、若竹座へ乗込んだ俳優だ、と思ったし、旦那が留守の、座敷から縁越に伸上ったり、玄関....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ゝえさ誰にも聞かする話ではない、表向でないから、もう一つ役替でも致したら、内々は若竹の方でも己が手前に手を付けた事も知っているが、己が若竹へ恩を着せた事が有るか....
田舎教師」より 著者:田山花袋
った。窓の下には足長蜂が巣を醸してブンブン飛んでいた。大家の庭樹のかげには一本の若竹が伸びて、それに朝風夕風がたおやかに当たって通った。 五十五 ....
新茶のかおり」より 著者:田山花袋
竹は筍の出る頃、其葉の色は際立って醜い。竹が美しい若葉を着けるのは、子が既に若竹になってからである。生殖を営んで居る間の衰えということをある時つくづく感じた....
」より 著者:徳田秋声
い雑木林が、絶えず煽りを喰って、しなやかなその小枝を揺がし、竹藪からすいすいした若竹が、雨にぬれた枝を差し交していた。古い油絵に見るようにこんもりした杉のところ....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
がして、三羽五羽ばかしの雀が、その肩越しにさっと飛んで来ました。そして先を争って若竹の枝にとまろうとして、幾度か画面にぶっつかっては落ち、ぶっつかっては落ち、終....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
と明るく行列をした処を見掛けるが、ふんだんらしい、誰も折りそうな様子も見えない。若竹や――何とか云う句で宗匠を驚したと按摩にまで聞かされた――確に竹の楽土だと思....
死体の匂い」より 著者:田中貢太郎
出、それから電車通りを往って、二日の日に一度見ている本郷の焼け跡の灰を見ながら、若竹の前を通って順天堂の手前へ出た。かつては皇城を下瞰するというので一部の愛国者....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
区内に四、五軒乃至六、七軒、大小あわせて百軒を越えていたという。その中でも本郷の若竹亭、日本橋の宮松亭を第一と称し、他にも大きい寄席が五、六十軒あった。江戸以来....
剣侠」より 著者:国枝史郎
助にはそう思われた。 二人は盃を重ねて行った。 いつか夕暮となっていて、庭の若竹の葉末辺りに、螢の光が淡く燈されていた。 6 酒に意外に時を費し、二人が屋....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
そのままの汚れのない清純な女性の形象をとってこの現世に存在している、いわばそれは若竹の精霊だ。微塵の悪徳もなく、美わしい天然の姿のままで。それはあの竹林の中に生....
茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
揺れます。打水した庭にくろずんだ鞍馬石が配置よく置き据えられ、それには楚々とした若竹が、一々、植え添えてあります。色里の色の中とは思えぬ清寂な一とき。木立を距て....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
長い年月それでずっとすごして来たのである。――そのうち「金竜軒」の横町だけは、「若竹」だの、「花家」だの、「みやこ」だのといった風の小料理がいろ/\出来、それに....