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若緑
「若緑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
若緑の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
限り、花崗の岩壁が聳えて、その壁には白い卓子懸けのような雪が、幾反も垂れている、
若緑の樺の木は、岩壁の麓から胸まで、擦り切れるようになった枝を張りつめて、その間....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。
吾墓の色にす可き鼠色、外套に欲しい冬の杉の色、十四五の少年を思わす落葉松の
若緑、春雨を十分に吸うた紫がかった土の黒、乙女の頬に匂う桜色、枇杷バナナの暖かい....
「木魂」より 著者:夢野久作
、そんな予想と丸で違った光景をあらわしていた。見渡す限り草も木も、燃え立つような
若緑に蔽われていて、色とりどりの春の花が、巨大な左右の土の斜面の上を、涯てしもな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
生れた奴は罰当《ばちあた》り 明日《あした》死んではかわいそう かわいそうだが
若緑 おっしゃらしゃらしゃら しゃあらしゃら 天朝様も米の飯 おいらの方でも米の....
「モスクワ」より 著者:宮本百合子
はじまって、並木の菩提樹が芽立ったと思うと、北の国の春は情熱的に初夏の恍惚とする
若緑に育ってゆく。 五月下旬になるとモスクワでもいくらか白夜がはじまって来る。....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
うど初春があった。新生の夢が、よどんだなま温かい空気の中に醸《かも》されていた。
若緑が銀灰色の橄欖樹《オリーヴ》と交じり合っていた。溝渠《こうきょ》の廃址《はい....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
鶴子と何かささやき合うと、私を見てニッコリした。 目の下には青い帯のような海と
若緑の島と、尾道の市街とが横たわっていた。 支那人の召使は日本語で私に話しかけ....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
葉|嫩葉は、ツイ二、三日前の恐ろしい殺人事件を夢にしたかのように、花よりも美しい
若緑を盛り上げて、冷やかな朝東風を薫らせて来る。名物男の狂歌師、赤猪口兵衛の独住....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
その大きい花魁が致します。主人は一両でも出しません。主人と云うものは徳なもので。
若緑という二枚目の花魁がお富の世話を致しますが、誠に親切もので、お富は時々内所へ....