若造[語句情報] »
若造
「若造〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
若造の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
い計画もさすがに手も足も出なかったのだ。 (おれの計画の邪魔をしやがる。生意気な
若造や!) しかし、そのことは豹一の意志から出たのではなく、じつは多鶴子から同....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
しゃるか。」と茶筒にかけた手を留めた。 「その母様と云うのは、四十余りの、あの、
若造りで、ちょいとお化粧なんぞして、細面の、鼻筋の通った、何だか権式の高い、違っ....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
よく見えた」老人は寝台から起き上った。「無作法な奴だ、爺く玉だなんて言葉を謹め、
若造の癖に」こうは云ったが老人は、別に怒ってもいないようであった。 「驚いたなあ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、これだと、しごきで、頽然としていた事になる。もっとも、おいらんの心中などを書く
若造を対手ゆえの、心易さの姐娘の挙動であったろうも知れぬ。 ――「今日は珍らし....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
うだ。又、野坂中尉は白い目をギラリと光らせて一睨みくれただけであったが、それは、
若造め、生意気云うな、という意味らしかった由である。 中西伍長の独自の見解は、....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
であり、父ですらもない。単に「説明して理解と協力をあおごう」と思っているだけだ。
若造のくせに生意気だというのは当らない。若年にして独立独歩の志操あってのことであ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、にわかに人選して採用いたした未経験者でござるが、書生あがり、小才の利いた文弱な
若造でございます。彼が密偵に入ってすでに半年、なんらの見るべき成果もあがらぬうち....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
出すぎた生意気野郎で、それが面白いというお方もありましたが、そういう奴ですから、
若造のくせに一パシ名人気どりで、鼻もちのならないところもありました。それがために....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
と威儀を正してハッタと甚八を睨みすえ、 「時刻であるぞ。甚八、四目おけ」 この
若造が甚しく虫の好かない甚八、大目玉をギロリとむいて、 「何だと。甚八とは何だ。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
た。そのために元々陰鬱な性格が益々暗くひねくれて無口となり動作が重い。二十一二の
若造がいっぱし高給をもらって面白おかしく暮しているのに、彼は女中や小僧どもにもナ....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
み出たのは、いましがた鞘ぐるみ、浪人風の男であった。 「たしかこいつは。……この
若造は……加賀屋源右衛門の倅だったの?」 「は、さようでございます」 「よし」と....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
いが、それこそ恋に眼の眩んだ、浅はかな女の思惑というもの、まことは主税というあの
若造、軽薄で出世好みで、それくらいの所業など平気でやらかす、始末の悪い男なのじゃ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
気味のわるい話だが、相手次第では引受けてもいゝな」 「なに、当人は三十いくつかの
若造で、戦後急にのしあがつた一種の風雲児さ。鼻息は荒いが、さつぱりした、腹のすわ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
の可愛がっているお小間使いと、ちちくり合ったのが逆鱗にふれて、ここへぶちこまれた
若造なのだ。女が恋しいの逃げ出したいのと、狂人のように騒いでいたが、とうてい逃げ....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
の取立て法に遇ったことがなかったので何層倍もびっくりする反面、ただちに反発して『
若造』のやり方を詈りはじめもした。古来の抜きがたい習慣を無視してその法律一点張り....