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若隠居
「若隠居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
若隠居の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
気色《けしき》もなく、ただ、毎日この新築の書斎に閉じこもって、銀行家と云うよりは
若隠居にでもふさわしそうな読書|三昧《ざんまい》に耽っていたのです。これは勿論一....
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
《ひん》と云い容子《ようす》と云い先《ま》ずお旗下《はたもと》なら千石以上取りの
若隠居とか、次三男とか云う扮装《こしらえ》の武家がずっと這入って参り、 武「御....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
をとって、其蝶の長次郎は別居させることになった。其蝶も結局それを仕合わせにして、
若隠居というほどの気楽な身分でもないが、ともかくも柳原に近いところに小さい家を借....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
▲門外から見ると文人の生活は極めて呑気に思われる。ノホホンだの後生楽だの仙人だの
若隠居だのという冷罵を我々は何百遍何千遍も浴びせられた。が、我々は不自由な郊外生....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
動かなかったのです。娘が、大きくなるまでは、世間とも余り交際しない積りで、向島へ
若隠居をしてしまったのです。その話は幾度もしたけれど――向島へ行って何年目だろう....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
模屋《さがみや》という質屋の後取息子《あととりむすこ》であったが勘当の末《すえ》
若隠居の身となった。頑固な父が世を去ってからは妹お豊を妻にした店の番頭が正直に相....
「性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
ので、やさしい父は家にいて勉強したって同じだと言ってくれたのを幸いにして、まるで
若隠居のように、終日室にこもっていた。 そのころ私は詩の雑誌である「新声」をと....