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苦さ
「苦さ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苦さの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星女郎」より 著者:泉鏡花
方が、対向いになると、凄いようで、おのずから五体が緊る、が、ここが、ものの甘さと
苦さで、甘い方が毒は順当。 まあ、それまでですが、私の身に附いて心配をしますと....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
ない宇宙! お前は、 追い立てるのになぜ連れて来たのか? まだ来ぬ旅人も酌む酒の
苦さを知ったら、 誰がこんな宿へなど来るものか! 29 おお、七と四*の結果....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
あるものである。此の女の心の誠は老主人の心に響いたのであろう。主人の面には甘さも
苦さも無くなって、ただ正しい確乎とした真面目さばかりになった。それは利害などを離....
「可愛い女」より 著者:神西清
りのがらんどうが出来てしまっていた。その何ともいえぬ気味わるさ、何ともいえぬ口の
苦さは、艾をどっさり食べたあとのようだった。 町は次第に四方へひろがって行った....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
|衣は汗にて流るるが如きに至るを以て、自ら臭気を発して、一種の不快を覚ゆると其|
苦さとにて、一日には僅に三四時間の労働に当るのみ。実に北海道の夏は、日中は最も炎....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
した。阿呆《あほう》なぼくは時折、あなたのことを思い出しては、痛く胸を噛《か》む
苦さと快さを愉《たの》しんでいました。
アメリカを発《た》ってから五日目。暖か....
「女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
んなことにいったい何の意味があるか。 一種の嫉妬であったろうか。嫉妬には灰汁の
苦さと蜜の甘さがあるものだが、それがなかった。 長谷川は朝食がおそく、昼食をぬ....
「絵画の不安」より 著者:中井正一
一つであるとともに、多くの苦難をそれは用意する。ミケランゼロが法皇の食卓に嘗めし
苦さ、ドラクロアが宮廷批評家より浴せし不当なる讒謗、常に時に追い迫り、それを追い....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
きたのが、なんとハブ草の実を黒くいり上げて粉にひいたものらしかった。それでも色と
苦さだけはコーヒーに似ておらぬでもなかったから、それに耳かき一ぱいのカフェインを....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
、器用に何でも鳴るのだが――出たての空豆の皮などを、ついふッと吹きはするが、すぐ
苦さがこみあげてくる。も一つは父のいったことばで、ある時、父はしみじみと、幼い私....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
送りかえされて来た購求の書下し長篇小説の一冊を眺め、私は胸の中に迸《ほとばし》る
苦さを抑えかねました。その作者に好意をもつ義務を感じられない、そういう苦々しさで....
「道標」より 著者:宮本百合子
まいなあ」
伸子は、ひとくち飲んで、そのビールの軽い芳ばしさと、甘いようなほろ
苦さを快く口のなかにしみとおらせた。
「こまったわね、これは飲まないでいる方がむ....
「旅愁」より 著者:横光利一
。しかし、二人の過去のいきさつなど知らぬ老人の久木男爵だけは、底流している一座の
苦さにはまだ気附かぬ様子で、却って、真面目な議論の対象をいつも揉み潰す由吉に多少....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
えこんで、入れ上げさせよう――といったような色坊主ばかりが多いんですからなあ。同
苦さまのような上人がもし十人も世間にいたら、どんなに世の中が明るくなるかもしれや....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、その後始末にしても、以前のような一致は欠いている。
いちど受けた傷手の深刻な
苦さが、錯然と、日が経っても皆の顔にただよっていて、なにを相談するにつけても敗者....