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苦しみ
「苦しみ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苦しみの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
人びとにはそれだけでは決して満足を与えないのである。それらの人々は必然に悲しみや
苦しみさえ求めずにはいられない。(求めずとも与えられる当然の悲しみや
苦しみのほか....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
痛みも烈《はげ》しかった。彼は時々|唸《うな》り声《ごえ》を挙げ、僅《わず》かに
苦しみを紛《まぎ》らせていた。しかし彼を悩ませたものは必しも肉体的苦痛ばかりでは....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
いことであろう。自分は生活に疲れているばかりではない。何十年来、絶え間ない創作の
苦しみにも、疲れている。……
老人は憮然《ぶぜん》として、眼をあげた。あたりで....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ますまで、始終頭を悩まさずにはいられなかった問題でございますから、せめてその間の
苦しみだけでも先生のような方の御耳に入れて、多少にもせよ私自身の心やりに致したい....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
まりや姫に恋をなされ、焦《こが》れ死《じに》に果てさせ給うたによって、われと同じ
苦しみに悩むものを、救うてとらしょうと思召し、宗門神となられたげでござる。」
....
「河童」より 著者:芥川竜之介
この聖徒はだれよりも苦行をしました。それは元来貴族だったために好奇心の多い公衆に
苦しみを見せることをきらったからです。この聖徒は事実上信ぜられない基督《キリスト....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
「注射はそう度々は出来ないんだそうだから、――どうせいけなけりゃいけないまでも、
苦しみだけはもう少し楽にしてやりたいと思うがね。」
賢造はじっと暗い中に、慎太....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
しょに、磔木《はりき》におかかりなすったのです。その時のおん悲しみ、その時のおん
苦しみ、――我々は今|想《おも》いやるさえ、肉が震《ふる》えずにはいられません。....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
す。夫もまた妙子を信じている。これは云うまでもないことでしょう。そのために妙子の
苦しみは一層つのるばかりなのです。
主筆 つまりわたしの近代的と云うのはそう云....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
らない人間だ。己は命を持っていても仕方ない人間だ。己の命をとってくれ。そして己の
苦しみを助けてくれ。
第三の声 莫迦《ばか》な事を云うな。よく己の顔をみろ。お前....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
かなければならないか。勿論、李は一度もそう云う問題を考えて見た事がない。が、その
苦しみを、不当だとは、思っている。そうして、その
苦しみを与えるものを――それが何....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
未来の上へ寂しい暗黒を投げかけたであろう。東京を焼かれた我我は今日の餓《うえ》に
苦しみ乍《なが》ら、明日の餓にも苦しんでいる。鳥は幸いにこの苦痛を知らぬ、いや、....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
いる「譜代《ふだい》の臣」ばかりである。「己《おれ》は苦しんでいる。が、誰も己の
苦しみを察してくれるものがない。」――そう思う事が、既に彼には一倍の苦痛であった....
「墓」より 著者:秋田滋
から一週間後には、彼女はもうこの世の人ではなくなってしまったのです。 断末魔の
苦しみがつづいている間は、驚きと恐怖のあまり、わたくしにはもう何がなにやら解らな....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
た」といった。 終に一八六七年八月二十五日に、安楽椅子によりかかったまま、何の
苦しみもなく眠るがごとくこの世を去った。遺志により、葬式は極めて簡素に行われ、ま....