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苦しめる
「苦しめる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苦しめるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
うをふり返って、声をかけた。
「お頭《かしら》、おじじはちとむずかしいようじゃ。
苦しめるだけ、殺生《せっしょう》じゃて。わしがとどめを刺してやろうかと思うがな。....
「或る女」より 著者:有島武郎
に倉地と葉子との関係は了解しているに違いないのだ。了解して一人《ひとり》ぽっちで
苦しめるだけ苦しんでいるに違いないのだ。それにも係わらずその善良な心からどこまで....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
を何物よりも重んずることになる。生命を極端に重んずるから、死の悲哀が極度に己れを
苦しめる。だから向上心の弱い人には幸福はないということになる。宗教の問題も解決は....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
ち》に沈んだような気がした。今の自分はただただ自分を悔い、自分を痛め、自分を損じ
苦しめるのが、いくらか自分を慰めるのである。今の自分には、哲学や宗教やはことごと....
「ある宇宙塵の秘密」より 著者:海野十三
る狭心症の前徴ではないだろうか。いや、これはやっぱり、今日の教授昇格が自分の心を
苦しめるのだ。渋谷先生が三年前に亡くなられて、テレビジョン講座に空席が出来たれば....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
マントルと、三つの宝をさし上げましょう。もうこの三つの宝があれば、あなた方二人を
苦しめる敵は、世界にないと思いますが、もしまた何か悪いやつがあったら、わたしの国....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
分の偽善が私の属する団体を汚さんことを恐れて、そして団体の悪い方の分子が私の心を
苦しめるのを厭って、その団体から逃げ出してしまった。私の卑陋はここでも私に卑陋な....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
友人の好意で一面の苦しみはやや軽くなったけれど精神上に受けた深い疵傷は長く自分を
苦しめることになった。罪を知っているだけ苦痛は層一層苦痛だ。この苦痛からまぬがれ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
かと思う位だよ」 「三吉は、小さいときから、父親のない不幸な子だ。それを又ここで
苦しめるのは、伯父として忍びないです」 「ああ、兄さんも、お父さんも、ありがとう....
「地球盗難」より 著者:海野十三
か迫害を加えられているらしい様子だ。白幽霊にとっては大事にしなければならぬ博士を
苦しめるとは、一体全体どうしたことであろうか。 電話の不通が直る間、ぜひ大隅学....
「海底都市」より 著者:海野十三
めにして、僕を溺死《できし》させるつもりか。一体|何奴《どいつ》だ。こんなに僕を
苦しめる奴は?) もういけない。爪先で立っていても、水が鼻孔《びこう》に入って....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
私も持場について午後の労働を始めた。最も頭脳を用うる余地のない、而して最も肉体を
苦しめる労働はかんかん虫のする労働である。小さなカンテラ一つと、形の色々の金槌二....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
ることができなかったんだが、いざという場合には、この旅客機を重爆機として、祖国を
苦しめる敵軍を爆撃するつもりだったんだ。ほら、よくごらんよ。この翼の形は、どうだ....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
いましたが、これは最も利己的な考え方です。それは人間に無理に重荷を背負わせ、また
苦しめるものです。 私共は、いつも私共自身でなければなりません。久しい因習は男....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
名誉と最大の権力を享有し、お気にめさぬものがあれば、片っ端から之を傷け、殺し、又
苦しめる大暴君、大悪魔、それが汝等の所謂神である。 まことの神は、断じてそんな....