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苦し紛れ
「苦し紛れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苦し紛れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
※《すさ》が真赤に血だらけ、
新「何うしたのか」
と思って起上ろうとすると、
苦し紛れに新五郎の袖に手をかけ、しがみ付いたなりに、新五郎と共にずうッと起《おき....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
たわ》らに、一片《ひときれ》の玉子焼が黄色く圧《お》し潰《つぶ》されようとして、
苦し紛れに首だけ飯の境に突き込んでいる。 「まだ、食べたくないの」と小夜子は箸《....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
病気が癒ったって、お前が不具になって何うしましょう、詰らぬ事を云い出しましたよ、
苦し紛れに悪い思案、何うでも私は遣りませんよ」 千「然うではありましょうけれども....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
で」 と婆はみし/\と二階へ上ってまいりまして。 虎「棟梁、フヽフン、彼の子も
苦し紛れに往生して、親の為になる事なら旦那を取ろうと得心をしたよ、ちょいと今あの....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
れど……。」 「そんな芝居じみたことは僕にはできない。」 庸三は答えた。それが
苦し紛れの葉子の口実なのか、それとも相手の態度がはっきりしないので、今夜来たのを....
「支那米の袋」より 著者:夢野久作
うの皮膚がポッポと火熱り出して、燃え上るような気持ちになって来るもんだから、その
苦し紛れに相手をシッカリと掴まえようとすると……ホラ、油でヌラヌラしていてチット....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
か舞台に舞い込んで来た一匹の足長蜂が大※の面の鼻の穴から匐い込んで、出口を失った
苦し紛れに大賀氏の顔面をメチャメチャに刺しまわった。 大賀氏は気が遠くなった。....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
禄して困るだろう、資本は沢山は出来ぬが十両か廿両も貸そう」 と云って金を貸す。
苦し紛れに借ると返せないから言訳に行くと、 永「もう十両も持って行け」 と三四....
「岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
屋敷から、ひょいと体を伸ばして破れ目を飛び越える途端に、首を針金の輪へ突っ込む。
苦し紛れに前進したり、もがいたりすればするほど、針金の輪が強く喉を締め、食い込ん....
「水と骨」より 著者:佐藤垢石
客に出したところが、大そう歓迎されたのである。しかし、そう沢山はとれない。そこで
苦し紛れに信州から養殖のはやを取り寄せ、利根で釣れたのですといって誤魔化したとこ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
ければ……。せっかくの自分の初看板がめちゃめちゃになってしまう。 「ままよ――」
苦し紛れの一策として「小烏丸」によく似た筋を、突嗟に圓朝はでっち上げた。これなら....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
小さくなっているのも愚である。何とかして彼等を撃退する工夫はあるまいかと、市郎も
苦し紛れに種々考えていると、わが傍らにひらりめ、近寄って来たなと、市郎は直ちに用....
「人格の養成」より 著者:新渡戸稲造
ると、とても私が講釈で言うような筋ッぽい大根ではない、しばしば私は質問に答えるに
苦し紛れに、本を読んで、それで間に合わせた事がしばしばどころではない始終それでや....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
岩壁を見上げると、何かしらん地質時代の或る巨大なる動物が、胴体を地下に埋没された
苦し紛れに大きな口をカッと開いて、上顎と下顎とをむき出したまま化石となっている其....
「それから」より 著者:夏目漱石
哲理《フィロソフィー》を嫂に向って講釈する気はなかった。が、段々押し詰られると、
苦し紛れに、 「だが、姉さん、僕はどうしても嫁を貰わなければならないのかね」と聞....