苦む[語句情報] » 苦む

「苦む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

苦むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
、私のそれは出来ないと云う疑問が起るかも知れません。しかしこれ等は、決して解釈に苦むほど困難な問題ではございません。何故《なにゆえ》かと申しますと、自分以外の人....
婦系図」より 著者:泉鏡花
。一体|恋でありながら金子をくれろは変な工合だ、妙だよ。その意志のある処を知るに苦む、などと、※紅をさして、蚯蚓までも突附けて、意見? を問われるには恐れている....
運命」より 著者:幸田露伴
武三十一年八月にして、太祖崩じて後、幾干月を距らざる也。冬十一月、代王桂暴虐民を苦むるを以て、蜀に入りて蜀王と共に居らしむ。 諸藩|漸く削奪せられんとするの明....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
を君に紹介した。まだその外に、鶏を養う人なぞも住んでいる。この人は病身で、無聊に苦むところから、私達の矢場の方へ遊びに来る。そして、私達の弓が揃って引絞られたり....
」より 著者:島崎藤村
三人の関係を決して軽きこととも思われず候。世間幾多の青年の中には、君と同じ境遇に苦む人も多からん。新しき家庭を作りて始めて結婚の生涯を履むものの中には、あるいは....
」より 著者:島崎藤村
と豊世に子供でも有ったら、とそう思うことも有りますが、しかし叔父さんや叔母さんの苦むところを見ていますと、無い方が好いかとも思いますネ」 「正太さん、煙草を持ち....
風流仏」より 著者:幸田露伴
或人仰せられしは尤なりけり。珠運馬籠に寒あたりして熱となり旅路の心細く二日|計り苦む所へ吉兵衛とお辰尋ね来り様々の骨折り、病のよき汐を見計らいて駕籠安泰に亀屋へ....
連環記」より 著者:幸田露伴
ているのを見て、よそめに過そうようは無い。つと立寄って、何事があって其様には泣き苦むぞ、と問慰めてやった。女は答えわずらったが親切に問うてくれるので、まことは主....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
うことが無理なことになるが、今更|野暮を云っても何の役にも立たぬ。悩むがよいサ。苦むがよいサ。」 と断崖から取って投げたように言って、中村は豪然として威張った。....
星女郎」より 著者:泉鏡花
けて転げる工合が、どうも狗ころの戯れると違って、焦茶色の毛の火になるばかり、悶え苦むに相違ござらん。 大蛇でも居て狙うか、と若い者ちと恐気がついたげな、四辺に....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
当然のようであるが、今日の偶像破壊時代の文人は過去の一切の文章型を無視して、同じ苦むにしてもこれまでの文章論や美辞法からは全く離れて自由であるべきはずである。極....
二階から」より 著者:岡本綺堂
世を送られると限ったものではない。なまじい学問をしたために、かえって一身の処置に苦むようなこともしばしばある。親の職業を受嗣いで、それで世を送って行かれれば、お....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
全滅したであろうか。或は猶其余類が山奥に潜んでいるであろうか。それは何人も返答に苦む所であるが、兎にかく此の物語はお葉と重太郎の最期を一段落として、読者と別離を....
西航日録」より 著者:井上円了
要を感ずるなり。 余、インドの実況を見て、左のごとく所感を述ぶ。 まゝ親の下で苦む印度人 孤児が親ある国を恋しがる ものいはぬ口まで寒し旅の風 旅の雨我真心を....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ら。 奉公人達の云う日だの星だのの事はわたしは知らない。 わたしは人間と云う奴の苦むのを見ているだけだ。 人間と云うこの世界の小さい神様は今も同じ性に出来ていて....