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苦める
「苦める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苦めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
ょせん》国へは帰れないと思う心の彼は、進んで戦地の方へ出掛けたいと願ったが、身を
苦めることばかり多くて思わしい通信を書くことも出来なかろう、と思い直しては自己《....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
れ何を斯く考うるや、眼徒らに空を眺めて動かざるは六かしき問題ありて※を解かん為め
苦めるにや、頓て彼れ衣嚢を探り最太やかなる嗅煙草の箱を取出し幾度か鼻に当て我を忘....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
吹いて目をつけ、又は稲の穂を顧みないで藁を大事にし、その他種々な悪戯をして地主を
苦める。こんなことをしたところで、結局「三月四月は食いじまい」だ。尤も、そのうち....
「余興」より 著者:森鴎外
漢語や、新しい詩人の用いるような新しい手爾遠波が耳障になってならない。それに私を
苦めることが、秋水のかたり物に劣らぬのは、婆あさんの三味線である。この伴奏は、幸....
「女給」より 著者:細井和喜蔵
葉を口まで出した。併し乍ら痩せ細って日夜病苦に呻吟する良人を、此の上そんなことで
苦めるのは余りに可哀そうで堪えられなかった。で、すっかり全快のあかつき更めて言う....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
という一嘆息に、過ぎたことはすべて葬り去って終って、 「よいわ。子は親を悩ませ
苦めるようなことを為し居っても、親は子を何処までも可愛く思う。それを何様とも仕よ....
「階級闘争の彼方へ」より 著者:与謝野晶子
、製品の価格を不法に吊上げ、大多数の消費者たる無産階級を層一層物価の暴騰に由って
苦める結果を生じます。 例えば私たちのような文筆の職業に就いている者は単独的労....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
無い。※は逃げて了った、重太郎は行方不明であった。唯ここに残っているのは、重傷に
苦める彼の坑夫|体の男|一人である。これに就て厳重に詮議するより他はないが、何分....
「自由の真髄」より 著者:新渡戸稲造
ものある時は必らずこれを警戒する、もし彼に反《そむ》けば彼大に我を責める、従って
苦めるものなりと説いている。昔陽明学者の歌に 皆人《みなひと》の詣《まゐ》る社....