苦学[語句情報] »
苦学
「苦学〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苦学の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
下であった。 板場の木下は、東京で牛乳配達、新聞配達、料理屋の帳場などしながら
苦学していたが、大震災に逢い、大阪へ逃げて来たと云った。汚い身装りで雇われて来た....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
ままに家の一部を工房に仕替え、多少の研究の機械類も買ってやった。 小さい時から
苦学をしてやっと電気学校を卒業はしたが、目的のある柚木は、体を縛られる勤人になる....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
仕方がない、伯父さんのいうことであるから終日働いてあとで本を読んだ、……そういう
苦学をした人であります。どうして自分の生涯を立てたかというに、村の人の遊ぶとき、....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
若い配達夫でして、名前は、山田……なんとかって云いましたが、これがその夜学へ通う
苦学生なんです。 で、事件と云うのは……日附を忘れましたが、なんでも七月の、ま....
「金属人間」より 著者:海野十三
づけたがいいぞ。そのかわりいままでみたいに学資や生活費をじゅうぶん送れないから、
苦学《くがく》でもしてつづけたらどうじゃ」 と皆からいわれ、それではというので....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
名だった。 その名で分るとおり、彼は日本人であったのである。そのむかし、彼は、
苦学生であって、アメリカで皿洗いをしていた。しかし、だんだん世界の情勢がかわって....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
――はかり炭、粉米のばら銭買の使いに廻らせる。――わずかの縁に縋ってころげ込んだ
苦学の小僧、(再び、一樹、幹次郎自分をいう。)には、よくは、様子は分らなかったん....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
て貰っていたのだなどと思う。若宮もとうとうこの日向ぼっこ連にはいったのか。十年の
苦学をついに何等なすことなくして、肺病の魔の手にささげてしまうのか。こんど出たら....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
来ず、あるいは学校から除名されつつあるではないか。 改革するにも、武器がない。
苦学するにも働く工場がどこにある。 やはり元のように娘を人の家に嫁にやり、一切....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
へつけて持って来い」 「へえへえ」 小机源八郎は長沼の内弟子。言って見れば今の
苦学生だ。金は無いのだ。ところが今日は暗闇で旗本六人が鼻をそがれた敵討というので....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
洋風の鞣革の皮膚、鞣革の手の皮膚。その手がそこで急いで本ものの鞣皮の外套を脱ぐ。
苦学の泥の跳ねあとを棘の舌ですっかり嘗めてしまった猫のような青年紳士は蜘蛛の糸の....
「旅への誘い」より 著者:織田作之助
が、それに先立って、学徒海鷲を志願し、近く学窓を飛び立つことになりました。永い間
苦学生としての生活を送って来た僕には、泳ぎつくように待たれた卒業でしたが、しかし....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
まって同情や好意や推輓や斡旋を求めに行くと案外|素気なく待遇われ、合力無心を乞う
苦学生の如くに撃退されるので、昨の感激が消滅して幻滅を感じ、敵意を持たないまでも....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
啼菩薩です。 「自分がいくら骨を折って行っても、することなすことみな無駄になる」
苦学をして勉強していた一青年が、こう歎じました。実際彼が骨を折ってなしたことがみ....
「放浪」より 著者:織田作之助
木下である。 板場の木下は、東京で牛乳配達、新聞配達、料理屋の帳場などしながら
苦学していたが、大震災に逢い、大阪へ逃げて来たと言った。汚い身装りで雇われて来た....