苦学生[語句情報] » 苦学生

「苦学生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

苦学生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
デカダン抗議」より 著者:太宰治
うで私のロマンチックな趣味に合わなかったから、いやちがう、僕はあの家の遠縁に当る苦学生であるが、そんなことは、どうでもいい、十年ぶりでやっと思いが叶《かな》って....
花火」より 著者:太宰治
。けれども杉浦と勝治の交友ほど滑稽で、無意味なものも珍しいのである。杉浦透馬は、苦学生である。T大学の夜間部にかよっていた。マルキシストである。実際かどうか、そ....
乞食学生」より 著者:太宰治
の服装に、私の着物在中の風呂敷包みを持ち、私は小さすぎる制服制帽に下駄ばきという苦学生の恰好で、陽春の午後の暖い日ざしを浴び、ぶらぶら歩いていたのである。 「ど....
青木の出京」より 著者:菊池寛
の雄吉は、自分の身代り的行動を、心の底から後悔し始めていた。それと同時に、現在の苦学生的生活の苦悩が、ひしひしと身に食い込んできた。そのために、彼は自分の過去に....
如是我聞」より 著者:太宰治
姿そのままのものになるにきまっていると思っている。 醜い顔の東洋人。けちくさい苦学生。赤毛布。オラア、オッタマゲタ。きたない歯。日本には汽車がありますの? 送....
あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
若い配達夫でして、名前は、山田……なんとかって云いましたが、これがその夜学へ通う苦学生なんです。 で、事件と云うのは……日附を忘れましたが、なんでも七月の、ま....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ていた頃は、社会的に学生が可なり優遇されていた時期であった。なる程貧乏な学生(「苦学生」・「貧書生」)は今より多かったらしいし、又書生一般の生活程度も当時の水準....
地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
名だった。 その名で分るとおり、彼は日本人であったのである。そのむかし、彼は、苦学生であって、アメリカで皿洗いをしていた。しかし、だんだん世界の情勢がかわって....
技術の哲学」より 著者:戸坂潤
んにブルジョア社会幹部の養成を必要と感じた時代には、旧下級士族や町人や農民から「苦学生」其の他相当遊学者を出したのではあるが、資本主義の発展に従って、資本制幹部....
」より 著者:豊島与志雄
のんできた奴だろう。足をばたりとさせる者がある。電車にも乗らずに徒歩通学をしてる苦学生だろう。そして至るところに、低い単調な、而も天井まで室一杯拡がろうとするか....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
る。 前項において、書生上がりの者の職人として成功甚だ覚束なきことを説いたが、苦学生に至ってはなお然りとす。いったい苦学生の目的は学問を主眼にしてかたわら僅か....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
へつけて持って来い」 「へえへえ」 小机源八郎は長沼の内弟子。言って見れば今の苦学生だ。金は無いのだ。ところが今日は暗闇で旗本六人が鼻をそがれた敵討というので....
旅への誘い」より 著者:織田作之助
が、それに先立って、学徒海鷲を志願し、近く学窓を飛び立つことになりました。永い間苦学生としての生活を送って来た僕には、泳ぎつくように待たれた卒業でしたが、しかし....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
まって同情や好意や推輓や斡旋を求めに行くと案外|素気なく待遇われ、合力無心を乞う苦学生の如くに撃退されるので、昨の感激が消滅して幻滅を感じ、敵意を持たないまでも....
十日の菊」より 著者:永井荷風
のであった。新しき女の持っている情緒は、夜店の賑《にぎわ》う郊外の新開町に立って苦学生の弾奏して銭を乞うヴァイオリンの唱歌を聞くに等しきものであった。 小春治....