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苦情
「苦情〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苦情の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
をしたのです。ところが「青ペン」のお上と言うのは元来猫が嫌いだったものですから、
苦情を言うの言わないのではありません。しまいには飼い主のお松にさえ、さんざん悪態....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
電話をかけるのは残酷《ざんこく》だよ。」――泰さんは実際まだ眠むそうな声で、こう
苦情を申し立てましたが、新蔵はそれには返事もしないで、「僕はね、昨日の電話の一件....
「或る女」より 著者:有島武郎
話に花を咲かせながらトランプをいじり通した。あたりまえならば、なんとかかとか必ず
苦情の持ち上がるべき英国風の小やかましい検疫もあっさり済んで放蕩者《ほうとうもの....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
れ》を出してマッチを擦《す》った。折入って頼むといったのは小作一同の地主に対する
苦情に就いてであった。一反歩二円二十銭の畑代はこの地方にない高相場であるのに、ど....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
き得たと思うごとに、小おどりしたいほどの喜びを感じた。君の周囲には今はもう生活の
苦情もなかった。世間に対する不安も不幸もなかった。自分自身に対するおくれがちな疑....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
電車もくる電車も素通りで、八、九回目にようやく乗れたが、一列に並んでいる人達何の
苦情も言わず。心得がいいというか、よく心得ているというか、おとなしい都民達だ。 ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
をここで完全にやっつけてしまおう。あいつら二人さえいなければ、火星の上は、だれも
苦情を言うものがなくて静かなんだ。それから蟻田博士なども、きっと、おとなしくなる....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
て。衛兵たるおれが、承知できないぞ。そういうことは、禁じられている」 衛兵が、
苦情をいった。軍規上、それにちがいないのである。 「お前にゃ、わからんといってい....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
棺桶を前にしては、一向力も感じも出てこないため、どうしても熱弁がふるえないという
苦情を申立てた。―― 講堂入口の、生徒用長椅子の並んだ蔭に、空虚の棺桶は下ろさ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
誂えるのに同行して、麻布我善坊から、狸穴辺――化けるのかと、すぐまたおなかまから
苦情が出そうである。が、憚りながらそうではない。我ながらちょっとしおらしいほどに....
「カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
アツテミレバ、タマタマ私ガ少シクライ畠チガイノコトニ口出シヲシタトコロデメツタニ
苦情ヲイワレル筋合イハナイハズデアル。シカモカタカナノ問題ハ現在ノ私ノ生活ニスコ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
「珍しくはないがよく怠惰けるなあ。」 「何、今度ばかしゃ仲間の寄でさ、少々その
苦情事なんでして、」 「喧嘩か。」 「いいえ、組合の外に新床が出来たんで、どうの....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
げられて代地を下附されたが、代地が気に入らなくて俺のいる所がなくなってしまったと
苦情をいった。伝法院の唯我教信が調戯半分に「淡島椿岳だから寧そ淡島堂に住ったらど....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
が起るはずはなかったが、二葉亭を中心としての一家の小競合いは絶間がなくてバンコと
苦情を聴かされた。二葉亭の言分を聞けば一々モットモで、大抵の場合は小競合いの敵手....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
に満たないで、不満のある度に一々英国公使に訴え、公使がまた一々取次いで外相井侯に
苦情を持込むので、テオドラ嬢の父は事毎に外相からの内諭で娘の意を嚮えるに汲々とし....