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苦業
「苦業〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苦業の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「睡蓮」より 著者:横光利一
した剣客の歌である。次にこういうのがあった。 「ことたれる日日の生活に慣れにつつ
苦業求むる心うすらぐ」 この歌は恐らくみと子夫人の情愛に、いつとなく慣れ落ちて....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
を覚えるようになります。また、一方身体的に云うと、清貧と貞潔の名に隠れた驚くべき
苦業が、かえって被惨虐色情症的な肉感を誘発して来るのです。そして、自然の法則にそ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
はあるが、明るい。 頭をぶつけたり、肩をうったり、細い洞穴の旅行は大へんな難行
苦業《なんぎょうくぎょう》だったが、それももうすぐ終りだ。 「さて、このへんの様....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
を皆の前で高い声で懺悔《ざんげ》する。各懺悔の後に声の母たちは相談をして、公然と
苦業を課する。
少し重い過失は皆それを高声の懺悔に取っておくが、なおそのほかに....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
つとも。分ります、その気持は。私も賛成、失恋すなはち人生の目的なんだな。この人は
苦業者です。しかし、うらむらくは、
苦業者こそホガラカでノンビリしなきやならないも....
「金の十字架の呪い」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
の眠ってる人のように見えたから。その顔は骨っぽい骨格を持ち、狂神者型でさえある、
苦業者の顔であった。体は金の法衣とそして華美な祭服をつけていた。そこから胸の所が....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
のであるが、しかも父の強い個性は徒らな風流を欲しなかった。朝茶の炉手前は何かしら
苦業を修する発端で、その日も終日不可解の茶の渋味を呪法に則るごとき泡立てに和らげ....
「若き日の思い出」より 著者:牧野富太郎
いる人ではとてもこの学問はできっこない。日に照らされ、風に吹かれ、雨に濡れそんな
苦業を積んで初めていろいろの植物を覚えるのである。 私が植物採集に出かける時、....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
鰌《どじょう》の悩み。懇篤《こんとく》重厚なるジェルメエヌ後家の述懐、涙ぐましき
苦業の数々。一つとしてこれを聴く人の断腸の種とならぬものはないのだが、とかく漠然....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
生き、苦しむこと、泣くことの幸福を知るわずかな人々が、ここで今、世紀の罪滅ぼしの
苦業をしているのだ。信仰なき人は帰ってこない。この原子野復興の原動力となっている....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
ある。どこ一つ体に悪い所がなく、快適極まるといったような好条件な時は、自然、机の
苦業百尺の下へ、われから心身を沈めてはゆけないらしい。体は悪い程でもないが、どこ....