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苦楽
「苦楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苦楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
務時間も、休む寝床も、はッきりと区別がついていた。兵士は麦飯だ。将校は米だった。
苦楽を共にするのは兵士たちの間だけに於けることだ。彼らは、久しく入浴しなかった。....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
共々にせんければいかん、己の苦労する時には手前にも共々に苦労して貰う、これを主従
苦楽を倶にするというのだ」 林「へえ、恐入ります、手前などは誠に仕合せで、御当家....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
われさきにその目まぐるしさを逃れたろう。 34 善悪は人に生まれついた天性、
苦楽は各自あたえられた天命。 しかし天輪を恨むな、理性の目に見れば、 かれもまた....
「連環記」より 著者:幸田露伴
強いて之を去るまでには至らなかったろうと想われる。然し何が何様あろうとも、一生の
苦楽を他人に頼る女のことであるから、善かれ悪かれ取宛てた籤の男に別れては堪るもの....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、大マジメな論議としては、正当なものではないだろう。人間のよろこびは俗なもので、
苦楽相半ばするところに、あるものだ。悪というものがなくなれば、おのずから善もない....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
身の果報だ。捨てられるのが当然だと。では妹にでも訴えようか、妹お霜は唖であった。
苦楽を分ける弟は、遠く去って土地にいない。神も仏も頼みにならぬ。……富士甚内が追....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
そればかりを念願といたしておったのじゃ。そうであろうがな、浪人組の二人頭として、
苦楽を共にし、艱難を分け合った仲なのに、いざ組を解散するとなるや、共同の財宝を汝....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
美辞麗句、奇抜であり、意表に出ずる等々千差万別の裡にあって、彼は終始一貫、兵士と
苦楽を共にしつつその兵士の行動、その生活、その信念、あるがままの本質と、真の姿を....
「外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
せんが、それが内閣の総辞職の導火線となったことは事実であります。…………」 (「
苦楽」大正十五年二月号)....
「おせん」より 著者:邦枝完二
、紙の小口をそろえている方が、どのくらい楽だか知れなかった。 が、そんな小僧の
苦楽なんぞ、背中にとまった蝿程にも思わない徳太郎の、おせんと聞いた夢中の歩みは、....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
出来たのである。 あの当時の苦しみやたのしみは、今になって考えてみると、それが
苦楽相半ばして一つの塊りとなって、芸術という溶鉱炉の中でとけあい、意図しなかった....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
、その信者をして病苦を脱せしむることあたわず。上帝を信ずるものと信ぜざるものと、
苦楽の境裏を来往するに寸分の差等あることなし。ゆえに、人をしておのずから上帝の威....
「純情主義を想う」より 著者:小川未明
的享楽から離れて、農村に走り、農奴と伍した。そして、自から耕牧して、彼等と共に、
苦楽を分った。彼等の生活が正しいばかりでなく、愛するためには、身を以て殉ぜんとし....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
有ろうけれども、一人も訪ねてくれる者も無いに引替え、手前は新参でありながら、主従
苦楽を共にして、斯様な処に来て、商いの買出しから、殊に男の手で濯ぎ洗濯までもして....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
身の廻りを当番兵に為さしむる等も貴族的教育の模倣の遺風である。速やかに一抛、兵と
苦楽をともにせしめねばならぬ。率先垂範の美風は兵と全く同一生活の体験の中から生ま....