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苦海
「苦海〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苦海の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
、大阪で越前屋佐兵衞と申しましたが商業《しょうばい》の失敗で零落いたし、親の為め
苦海《くがい》に身を沈めましたと、恥かしそうに物がたりますを晋齋老人とくとお聞き....
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
して亭主の敵《かたき》が討ちたいと思って親類の止るのも聞かずに泥水の中に這入り、
苦海《くがい》の中《うち》に居ても万一《ひょっと》して敵を尋ぬる手掛りにもなろう....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
売られて来て、十六の春から店へ出た。そうして、ことしも二十二の正月を廓で迎えた。
苦海《くがい》十年の波を半分以上も泳ぎ越すうちに、あとにもさきにもたった一度の恋....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
ると時勢後れになります。せっかくの目的が達せられなくなります。昔は親のために身を
苦海に沈めるのを孝と云ったかも知れない。今日の我々から見ても孝かも知れないが、よ....
「旅日記から」より 著者:寺田寅彦
かに兀とした岩山の懸崖が見え、そのはずれのほうはミラージュで浮き上がって見えた。
苦海では思いのほか涼しい風が吹いたが、再び運河に入るとまた暑くなった。ところどこ....
「札幌まで」より 著者:寺田寅彦
眺めながら妙な夢のような事を考えてみるのであった。 誰かも云ったように、砂漠と
苦海の外には何もない荒涼|落莫たるユダヤの地から必然的に一神教が生れた。しかし山....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
の錬術場と云うような役目も務めると云った、一種の秘密境なのである。遊女には、永い
苦海の間にも精気の緩急があって、○○○の肌が死ぬほど鬱とうしく感ぜられ、それがま....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
にもなり、社会生活を送っているわけであります。それは「如来の願船なかりせばいかで
苦海を渡るべき」という言葉があると思います。この社会生活というものは一方において....