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苦虫
「苦虫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苦虫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
なが浮かれているときゃ、義理にも陽気な顔をすりゃいいんだ。しんねりむっつりとまた
苦虫づらをやりだして、なんのことですかよ。――よせやい。酔っぱらい。ぶつかるなよ....
「駈落」より 著者:佐左木俊郎
言い捨てて、茄子を洗いに井戸端へ行った。 二 爺さんは、むっつりと、
苦虫を噛みつぶしたような面構えで、炉傍《ろばた》に煙草を燻《ふ》かしていた。弟の....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
いから、むじゃむじゃとして黒い。胡麻塩頭で、眉の迫った渋色の真正面を出したのは、
苦虫と渾名の古物、但し人の好い漢である。 「へい。」 とただ云ったばかり、素気....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
じゅう顔合せて弱ってる。おとよの父は評判のむずかしい人であるから、この頃は朝から
苦虫を食いつぶしたような顔をしている。おとよの母に対しては、これからは、あのはま....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
うであります。直ぐに救援隊を御派遣ねがいたい」 「莫迦な奴じゃ」提督は、いよいよ
苦虫を噛んだような顔をした。演習ではあるまいし、救援が出来るものか。それにしても....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
からんかったよ。大した事じゃないから、君、どうでもえゝじゃないか」 けれども、
苦虫を噛み潰したような顔をしているその友人は、中々こんな事で承知しそうもないよう....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
事を言うんだ。馬鹿だよ、あれは。」と言って、それっきり黙ってしまった。それこそ、
苦虫を噛みつぶしたような顔をしていた。ひどく怒っているようだ。 何かあったに違....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
かめしい、あんなに大きな仮髪をつけたこの尊い人が、――この人が、ついさっきまで、
苦虫をかみつぶしたような顔つきで、嗅煙草でよごれた着物を着て、木箆(5)を手にし....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
上に対する処置は、いかがなさいますか」 「そのことだて」 とリット少将は、また
苦虫をかみつぶしたような顔になり、 「もう試運転まであと二日しかないというのに、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ったのは、喜太郎様の嫁御がまた臨月じゃ。 御本家に飼殺しの親爺仁右衛門、渾名も
苦虫、むずかしい顔をして、御隠居殿へ出向いて、まじりまじり、煙草を捻って言うこと....
「露肆」より 著者:泉鏡花
。年内の御重宝九星売が、恵方の方へ突伏して、けたけたと堪らなそうに噴飯したれば、
苦虫と呼ばれた歯磨屋が、うンふンと鼻で笑う。声が一所で、同音に、もぐらもちが昇天....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
れており、海軍のことにかけては、なか/\専門家なのですが、どうも気むずかし屋で、
苦虫をつぶしたような顔をしています。 けれども、とう/\、この人もみんなに説き....
「或る部落の五つの話」より 著者:佐左木俊郎
から若い消防手の、声を殺そうとする笑いが彼を取り捲いていた。清次郎は真っ赤な顔で
苦虫を噛み潰していた。 教練の整列が崩れるのを待っていて、平三は清次郎を掴まえ....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
そこらここらで聴かされ、加之にラジオで放送までされたら二葉亭はとても助かるまい。
苦虫潰しても居堪まれないだろう。 俗曲よりも好きだったのは犬と猫であった。俗曲....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
の爺いさんに紹介するのは
造做はない。あれが住む洞穴も遠くはない。
しかし厭な、
苦虫を噛み潰したような面の奴で、
強情で手におえないて。
あの不機嫌な親爺には、....