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苦言
「苦言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苦言の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
がら一日中考えさせられました。というのは、実を言えば貴下と吉田さんにはそういった
苦言をいつの日か聞かされるのではないかと、かねて予感といった風のものがあって、こ....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
は遺憾ながらあの作品を『×××』に載せることは見合わすことにした。君が、僕のこの
苦言に憤慨して、折り返し傑作を寄せてくれれば幸いだ」 罠《わな》! 俺は確かに....
「如是我聞」より 著者:太宰治
いか。それならば、こうでも言ったほうがいいだろう。「この頃評判がいいそうだから、
苦言を呈して、みたいんだけど」少くともこのほうに愛情がある。彼の言葉は、ただ、ひ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
「まだらの紐」の内金を持参あり。偕成社の近情を聴く。社長の所業に対して好意的なる
苦言を呈せん事を思い、あとに池田氏へ手紙にて拝談す。 夜に入りて出版の用にて竹....
「帰去来」より 著者:太宰治
で、津島家出入りの貧しき商人、全く無学の者に候が、御無礼せんえつ、わきまえつつの
苦言、いまは延々すべき時に非ずと心得られ候まま、汗顔平伏、お耳につらきこと開陳、....
「新郎」より 著者:太宰治
と言い切る事が出来たら、どんなに嬉しいだろう。私はこのごろ学生たちには、思い切り
苦言を呈する事にしている。呶鳴る事もある。それが私の優しさなのだ。そんな時には私....
「読書法」より 著者:戸坂潤
である。吾が国のソヴェート文献翻訳事業に、もっと責任と良心とを要求したい。あえて
苦言を呈する」と。 之では熊沢氏はまるで、無責任と無良心の巨頭であるように見え....
「俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
、フランス人の作ったいわゆるハイカイを批評した言葉の中におおよそ次のような意味の
苦言がある。「俳句の価値はすべての固定形の詩の場合と同様に詩形の固定していること....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ういう結構が、すっかり打ちこわされてしまっていることを知った以上は、お松に対して
苦言を言わなければならず、駒井に対して直諫《ちょっかん》もしなければならないとこ....
「工学博士末広恭二君」より 著者:寺田寅彦
誠が溢れていたのである。米国講演の旅から帰った時新聞記者に話したという我学界への
苦言にも、日本の学者が慢心するのを心配している心持が十分に酌み取られる。 同じ....
「新学期行進曲」より 著者:海野十三
)ああむにゃむにゃ、えっへん。――ああア、そこで新学期の始めに一つ、クラス全体に
苦言を呈しておく。 △生徒大勢がガヤガヤと不安の気配 先生 ああア、どうじゃ、こ....
「決闘」より 著者:神西清
遊んでばかりいて本を読まぬのか、なぜそう教養がなく無知なのか――などと一とおりの
苦言は呈して見た。それに対して彼は苦笑いをし溜息をついて、こう答えるのを常とした....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
でお互に絶縁を宣言した間柄の余に対して居士はなおその事は忘れたように何かにつけて
苦言を惜まなかった。余を唯一の後継者とする考はその時以来全く消滅したのであるが、....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
向って理窟を述ぶべからず。大兄と小生とはかかる乱暴な言を申す親みはなきはずに候。
苦言を呈せんとして逡巡するもの三たび、遂に決意して卑辞を左右に呈し候。これも雑誌....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
言種が癪に障るじゃありませんか。」 愛吉は何にもいわず、腕を拱いて目を外して、
苦言一針するごとに、内々恐縮の頸を窘める。 紋床は構わず棚下、 「活きるか死ぬ....