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苦闘
「苦闘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苦闘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
。
「会いたてからこんな事をいうのは恥ずかしいですけれども、実際今度という今度は
苦闘しました。ここまで迎いに来るにもろくろく旅費がない騒ぎでしょう」
といって....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
、また例の北見博士の件ですがな、ぜひご意見をおきかせねがいたい」 この一カ月の
苦闘が、総監の頬を、げっそりと削ってしまった。 その前に、やはりコンクリートの....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
|営みは年として絶ゆることは無い。水害又水害。そうして遂に今度の大水害にこうして
苦闘している。 二人が相擁して死を語った以後二十年、実に何の意義も無いではない....
「蠅男」より 著者:海野十三
鞭をうちつづけた。 死線を越えて 稀代の怪魔「蠅男」の暴逆のあとを追うて
苦闘また
苦闘、神のような智謀をかたむけて、しかも勇猛果敢な探偵ぶりを見せた青年探....
「地球盗難」より 著者:海野十三
の洋服はヨレヨレになりところどころ鍵裂きや泥に汚れて、一と目でそれと、連日の悪戦
苦闘を物語っていた。 「へえ、東京へ……」 とお内儀は妙な顔をして首をかしげた....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
にいますよ」 母親は涙と共に娘をなだめる。 それからの三十分間は電波収録班大
苦闘《でんぱしゅうろくはんだいくとう》の巻《まき》であった。なにしろ目がさめた名....
「恐竜島」より 著者:海野十三
闘い。 いや闘いではない。怪獣に追いまくられて逃《のが》れきれぬ人間が、最後の
苦闘をつづけている図だ。 惨憺《さんたん》たるありさまだ。 恐竜は穴から、そ....
「火星探険」より 著者:海野十三
て、昼といわず夜といわず、猛獣毒蛇の襲撃にあい、毎日の如く大きい犠牲を払いながら
苦闘と忍耐とをつづけたように。――デニー博士は、大歓喜に酔うことは一時預けとして....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
を据えつけました。しかし引金を引くわけにはゆきません。向うの室では、味方の警官も
苦闘をつづけていれば、老婦人もどこかの隅にいるかと考えられるからです。唯一つの機....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ける。 川上機関大尉の武運は、眼に見えて悪くなった。そうでなくとも、ここ連日の
苦闘と空腹とに、かなり疲れている川上機関大尉だった。はりきった牡牛のような英国下....
「空襲警報」より 著者:海野十三
う気がしていたが、意外にも帝都は針でついたほどの傷も負っていなかった。昨夜、悪戦
苦闘した乗客たちは、何だか、まだ夢を見ているのではないかという気がしてならなかっ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
受け、他方純情の点に於て利益を受けていると言ってよい。が、何と言っても人生の悪戦
苦闘を、首尾よく切り抜けて、凱歌を挙げた魂が、更に更に尊い。いわゆる艱難汝を珠に....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
底に依然として険しい感情を蓄えながら、あの霜焼けの手が硝子戸を擡げようとして悪戦
苦闘する容子を、まるでそれが永久に成功しない事でも祈るような冷酷な眼で眺めていた....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
新聞社は南風|競わずして城を明渡さなくてはならなくなっても安い月給を甘んじて悪銭
苦闘を続けて来た社員に一言の挨拶もなく解散するというは嚶鳴社以来の伝統の遺風から....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
の尊さを知っていたこともあるが、実際商売の方も赤字続きだったのである。こんな悪戦
苦闘のなかで出資者たちはつぎつぎと私から離れていった。荒川など別れぎわに私の着て....