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「苦難〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

苦難の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
るしへる」より 著者:芥川竜之介
を極むべし。もしまた破戒せば「いんへるの」とて、衆苦充満の地獄に堕し、毒寒毒熱の苦難を与うべしとの義なりしに、造られ奉って未だ一刻をも経ざるに、即ち無量の安助《....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
詮《しょせん》は人力を尽した後、天命に委《ま》かせるより仕方はない。 少時学語苦難円 唯道工夫半未全 到老始知非力取 三分人事七分天 趙甌北《ちょうおうほ....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
を助け合ったつもりだったが、現場についたのは、もう夕刻であった。 その長い忍耐苦難の連続の道程に、ドレゴは彼の事件発見の顛末の一切を水戸に語って聞かせたのであ....
聖書の読方」より 著者:内村鑑三
、信仰の先導者なるイエスは其の前に置かれたる喜楽に因りてその恥をも厭わず十字架の苦難を忍び給うた(同十二章二節)、信者は希望なくして苦しむのではない、彼も亦「其....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
欠くるところあり、また、日本民族の美点と生長とを芟除することになる。 もちろん苦難|忍辱のこの途である。一通りや二通りの覚悟ではつとめ切れない。日記を書くのも....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
入れそうもない。 規矩男の手紙には、かの女と逢わなくなったこの短時日の間に経た苦難の後の気持から出た響きがあった。 ……(前略)あなたが、あなたの母子情を仲....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
のたびに、青竜刀がなくなったり、取っておきの老酒の甕が姿を消したり、泣き面に蜂の苦難つづきであったが、しかもなお彼は抗日精神に燃え、この広大なる濠洲の土の下に埋....
火星兵団」より 著者:海野十三
にはおかまいなく、刻一刻と地球に近くなって来た。 地球の上には、こうして二重の苦難がおおいかぶさって来たのである。地球と地球人類とは、もはや、自分たちの『死』....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
験を獲得しようとする或る者にとりて、それは愛の修行である。他の者にとりて、それは苦難と悲痛との修行である。その他知識を求むる者、克己自制の修養を遂げんとする者等....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
つげ、白い皮膚にきわだって見えるふさふさした金色の髪、それは静かな純潔と、精神の苦難とを示して、なんともいえない蠱惑の一面を現わしています。彼女はたけ長い解けた....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
していた人たちから離されている間に、この人たちにとって最も残酷な呵責である放心の苦難を受けて、煉獄の浄火に聖められたのです。この人たちの愛の苦しみは、天界にいる....
わが妻の記」より 著者:伊丹万作
明らかに栄養失調の徴候が現われ始めた。要するに、現在は妻にとつて結婚以来もつとも苦難の激しい時である。 育児。確かに熱心ではある。しかし、女性の通有性として偏....
新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
晴朗は、無感覚即ち死の前兆に過ぎない。生は不断の更新である。闘争である。有らゆる苦難のある闘争の方が、諸君の美わしい死よりも善いのだ。 静穏な時代や芸術は如何....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
いて、しかも堂々たる威力をそれとなく発揮しているものであります。 凡人の心は、苦難に際し、誘惑迷妄に際し、誠にぐらつきやすいものです。その凡心を以て――日常し....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
での四十年間には、関東大震災、日本製紙の合併、第二次大戦後の混乱とまだまだ多くの苦難が私を待ちうけていたが、三十歳までに味わったつらさを思えば、むしろ軽いものだ....