苧環[語句情報] » 苧環

「苧環〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

苧環の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
えるために、地下室の形を備えている味噌蔵の上に建出されてあったりした。庭にはもう苧環《おだまき》が葉を繁《しげ》らせ、夏雪草が日に熔《と》けそうな淡紅色の花をつ....
太郎坊」より 著者:幸田露伴
云って紅い顔をさせたりして、真実に罪のない楽しい日を送っていた。」 と古えの賤の苧環繰り返して、さすがに今更|今昔の感に堪えざるもののごとく我れと我が額に手を加....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ことにしようじゃないか。私ばかりでない、まだ同一心の者が、方々に隠れている、その苧環の糸を引張ってさ、縁のあるものへ結びつけて、人間の手で網を張ろうという意でね....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
(機を織りつつ歌う) 美しき色ある糸の 綾を織る人の一生、 五色の色のさだめは苧環の繰るにまかせて、 桧の梭の飛び交うひまに、 綾を織る罪や誉や。 (窓より塔....
式部小路」より 著者:泉鏡花
日、晩方にも苦しみましたな。」 「ああ、そうです、」 金之助は話の糸の、乱れた苧環巻きかえし、 「その、氷嚢をあけていた、厭な人影が中へ入る、ひとりでに扉が閉....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いますからそういう脅迫談判は止して頂きたい」といいますと、藤井さんを始め皆さんが苧環の糸を繰返して何遍か同じような事をいって勧められた。 もう睡くて仕様がない....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
振り廻した。 凄まじい風が座に起って、武蔵の肱が描く二挺の鉄砲の渦は、さながら苧環の旋るように見えた。 「…………」 何がなし人々は、気をのまれて、面も白け....