英断[語句情報] » 英断

「英断〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

英断の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
るみを見つめているような少女だった。 葉子は倉地が葉子のためにして見せた大きな英断に酬《むく》いるために、定子を自分の愛撫《あいぶ》の胸から裂いて捨てようと思....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
な。巴里のような誘惑の多い処へ。まだ年若な方を、あすこへ一人置かれることは余程の英断だ」 老紳士は曾て外遊視察の途中、彼の都へ数日滞在したときの見聞を思い出し....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
を以てよく犯罪を剔抉し得たる庄司署長、快刀乱麻を断つ如く判決し了った宮木裁判長の英断、正道を踏んで恐れざる神戸牧師の勇を称え、尚被告の為めに献身的努力を惜まざり....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
に執着することの少ない一橋慶喜と、その相談相手なる松平春嶽とが、惜しげもなくこの英断に出た。言うまでもなく、参覲交代の制度は幕府が諸藩を統御するための重大な政策....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
が多かったというが、一橋慶喜は越前藩主の意見をいれ、多くの反対説を排して、改革の英断に出た。今さらあの制度を復活するとなると、当時幕府を代表して京都の方に禁裡守....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ものであるが、大いに伸びようとするものは大いに屈しなければならないとの意志はこの英断にこもっていた。よろしく世界に進みいでよ、理のあるところには異国人にも頭を下....
怪星ガン」より 著者:海野十三
であるから、サミユル博士のたのみに応じないわけにいかなかった。 テッド博士は、英断をくだした。 「よろしい。先生のところへ、わが貯蔵量のはんぶんをさしあげまし....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
今は秋の暮で、この特別の歳時記が行われたのは、辮子を巻込んだ連中に取っては非常な英断と言わなければならない。未荘としてはこれもまた改革の一つでないということは出....
二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
満洲事変以来|擡頭し来れるファッシズムに対して、若し〈軍部〉にその人あらば、夙に英断を以て抑止すべきであった。 国軍の本務は国防に在るか奈辺に在るか、政治は国....
アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
指導者としての東宝は赤化組合に引ずられてまごつくよりも、全面的に御破算ですすむ大英断を必要とするときである。それには我々はハリウッドの企画製作監督等、敗戦国の今....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
になったのである。これだけのことでも、この当時の歌舞伎座当事者としてはよほどの大英断であったに相違ない。こういうわたしですらも、初めて歌舞伎座の番附を手に取った....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
、臣家たちだけが撰集の全責任を負うときには、恐らくは敢てし得ないような思い切った英断が感じられるのであって、『増鏡』の「おどろの下」に記されているように、 各々....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
り不自然な文化の弊害に負けまいとして、自然生活の根本の中へ最新文化を消化し入れた英断であって、その智慧は、仏智にも達するものであります。 フランス十九世紀の文....
俗臭」より 著者:織田作之助
術や隆鼻手術のような高級な医術に自発的に参加するのには、余程の医学的知識と勇気、英断を要するものだという持論が彼女を慰めた。政江の周囲には予防注射をすら怖れるよ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
には既にその勢い衰えつつあったのに乗じ、全軍の指揮を一任せられたフォッシュ将軍の英断と炯眼によって独軍攻勢の側面を衝き、遂に攻守処を異にして連合軍勝利の基を開い....