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「英霊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

英霊の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野分」より 著者:夏目漱石
を委却《いきゃく》するための便法である。この便法を証得《しょうとく》し得ざる時、英霊の俊児《しゅんじ》、またついに鬼窟裏《きくつり》に堕在《だざい》して彼のいわ....
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
にしている。彼らは驀地に進み了して曠如《こうじょ》と吾家《わがや》に帰り来りたる英霊漢である。天上を行き天下《てんげ》を行き、行き尽してやまざる底《てい》の気魄....
謡曲黒白談」より 著者:夢野久作
腕と称すべしで、謡曲の教外別伝の極地、声色の境界を超越した、玄中の玄曲を識得した英霊漢というべしである。かくの如きに到っては、到底吾人|味噌粕輩は申すに及ばず、....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
賜わって亘理城に居らしめらるるに至ったという。所謂《いわゆる》埋没さるること無き英霊底の漢《おのこ》である。大坂陣の時は老病の床に在ったが、子の重綱に対《むか》....
青年の生きる道」より 著者:宮本百合子
れただろうか。自分を死んだものとして無責任に片づけ、而も如何にも儀式ばった形式で英霊の帰還だとか靖国神社への合祀だとか、心からその人の死を哀しむ親や兄弟或いは妻....
連環記」より 著者:幸田露伴
、然様いう家柄の中に出来た人なので、もとより文学に通じ詞章を善くし、又是れ一箇の英霊底の丈夫であった。大江の家に対して、菅原古人以来、特に古人の曾孫に道真公を出....
社会時評」より 著者:戸坂潤
ニッポン的なことであり、ニッポン的でないことが国際的なことかと思っている。元帥の英霊に対しては失礼かも知れないが、フジヤーマやゲイシャやサムライやハラキーリは、....
堕落論」より 著者:坂口安吾
もないというが、果してどういうものであろうか。敗戦して、結局気の毒なのは戦歿した英霊達だ、という考え方も私は素直に肯定することができない。けれども、六十すぎた将....
開運の鼓」より 著者:国枝史郎
軍家のおためでござる。全く他に私心はござらぬ――諸君のために某計るに、東照神君の英霊の在す駿州久能山に籠もられるこそ策の上なるものと存ぜられ申す。そこにて天下を....
だいこん」より 著者:久生十蘭
ない」 「どうして」 「われわれの部隊は、沖繩でたくさん戦死者を出しているので、英霊と遺族にたいして当分ダンスを遠慮することになっている」 あたしはぺしゃんこ....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
込まれた。軍服の人や駅員なども入りまじって何かと世話をしだした。やがて窓硝子に、英霊と書いた黒枠の紙が貼りつけられた。いずれ此処の聯隊で受けとった遺骨を護りつつ....