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茂
「茂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
一時間ばかりたった後、玄鶴はいつか眠っていた。その晩は夢も恐しかった。彼は樹木の
茂った中に立ち、腰の高い障子の隙《すき》から茶室めいた部屋を覗《のぞ》いていた。....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
申しあげました中御門《なかみかど》の少納言様の御一人娘で、評判の美しい御姫様へ、
茂々《しげしげ》御文を書いていらっしゃいました。ただ今でもあの頃の御熱心だった御....
「影」より 著者:芥川竜之介
た向うに、明るい室内を覗《のぞ》かせている。そうしてそこから流れる光が、塀の内に
茂った松の梢《こずえ》を、ぼんやり暗い空に漂わせている。
しかし不思議はそれば....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
かが、ここだけは人足《ひとあし》の疎《まば》らな通りに、水々しい枝葉《えだは》を
茂らしているんだ。
「こんな所へ来たは好《い》いが、一体どうする気なんだろう?―....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
港を擾《さわ》がせた嘉永《かえい》の末年にでも当りますか――その母親の弟になる、
茂作《もさく》と云う八ツばかりの男の子が、重い痲疹《はしか》に罹《かか》りました....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
るだけにきのうほど憂鬱《ゆううつ》には見えなかった。まして柑類《かんるい》の木の
茂った、石垣の長い三角洲はところどころに小ぢんまりした西洋家屋を覗《のぞ》かせた....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
《むにむさん》に駈けて行った。どこまで駈けても、高粱は尽きる容子《ようす》もなく
茂っている。人馬の声や軍刀の斬り合う音は、もういつの間にか消えてしまった。日の光....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
のままに残っている。自分が子供の時に比べれば、河の流れも変わり、芦荻《ろてき》の
茂った所々の砂洲《すなず》も、跡かたなく埋められてしまったが、この二つの渡しだけ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
》しい己惚《うぬぼ》れを起したことはない。」
批評学
――佐佐木
茂索君に――
或天気の好い午前である。博士に化けた Mephistophel....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
。奥州名取郡《おうしゅうなとりのこおり》笠島《かさじま》の道祖《さえ》は、都の加
茂河原《かもがわら》の西、一条の北の辺《ほとり》に住ませられる、出雲路《いずもじ....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
荒れ果てているのです。墻《かき》には蔦《つた》が絡《から》んでいるし、庭には草が
茂っている。その中に鶏《にわとり》や家鴨《あひる》などが、客の来たのを珍しそうに....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
るかな?」
「きょうは少し寒いかも知れない。」
僕等は弘法麦《こうぼうむぎ》の
茂みを避《よ》け避け、(滴《しずく》をためた弘法麦の中へうっかり足を踏み入れると....
「狂女」より 著者:秋田滋
の女の家は窓も戸もたて切ったままになっていた。そして路次には雑草があおあおと生い
茂っていた。 年老いた下婢は冬のうちに死んでしまった。もう誰ひとり、あの事件を....
「初雪」より 著者:秋田滋
った。 良人は彼女をノルマンディーにあるその屋敷へ連れて行った。それは、鬱蒼と
茂った老樹にぐるりを囲まれた、石造りの宏壮な建物だった。正面には、見上げるような....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ると、わたしがまだ少年のころはじめて栗鼠射ちで手柄をたてたのは、この渓谷の片側に
茂っている高い胡桃の木の林だった。わたしがその林のなかにはいりこんだのはちょうど....