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茅場町
「茅場町〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茅場町の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
えるのです。 「お吟味一回。十二月五日。南町ご番所。 豊太、三十四歳。日本橋|
茅場町《かやばちょう》両替屋鈴文手代。丁稚《でっち》より住み込み。 梅五郎、二....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
った。 「いや、この降るのに気の毒だが、ちっと調べて貰いたい御用がある。この頃、
茅場町に変な奴があるのを知っているか」 「へえ」と、半七は首をかしげた。 「尤も....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
草観音さま本堂、本郷三丁目より切通坂へかけて、秋葉原界隈、田園調布界隈、司法省、
茅場町、日本橋白木屋、高島屋の地下町の方面は次々と焼けたらしい。 ◯読売新聞の記....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
に申上げます。 六 さて重二郎は母の眼病|平癒のために、暇さえあれば
茅場町の薬師へ参詣を致し、平常は細腕ながら人力車を挽き、一生懸命に稼ぎ、僅かな銭....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、やがて彼は町から引き返した。 多吉の家では、ちょうど亭主も今の勤め先にあたる
茅場町の店から戻って来ている時であった。そこへ半蔵が帰って行くと、多吉は彼を下座....
「東京八景」より 著者:太宰治
も、はっきり言った。 Hの、あの洋画家の画であった。 美術館を出て、それから
茅場町で「美しき争い」という映画の試写を一緒に見せていただき、後に銀座へ出てお茶....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
田町、鍛冶町、白銀町、石町、伝馬町、小田原町、小船町、伊勢町を焼き、川を越えて、
茅場町、同心町、八丁堀に及んだ。その火が伝馬町に移った時、伝馬町の獄では囚徒を放....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
物でござる。……威勢のよい魚屋でござる」 「どこの何という魚屋でござるな?」 「
茅場町植木店、和泉屋という魚屋の主人、交際の広い先ずは侠客、ご貴殿方も名ぐらいは....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
、そいつをヒョイと首っ玉へ結び、紺の腹掛けに紺の股引き、その上へ唐棧の布子を着、
茅場町の自宅をフラリと出た。「東海道は歩きあきた、日光街道と洒落のめすか。いや、....
「魚妖」より 著者:岡本綺堂
言い出した。 「御承知か知らぬが、先頃ある人からこんなことを聴きました。日本橋の
茅場町に錦とかいう鰻屋があるそうで、そこの家では鰻や泥鱒のほかに泥鼈の料理も食わ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
門下となって美術学校に入り、卒業後研究を続けられている。 薬師寺行雲君は本所|
茅場町の松薪問屋の息で、家が資産家であるから、いろいろなことを研究し盆栽、小鳥、....
「歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
時の歌麿は、もはや入口の閾を跨いで、路地の溝板を踏んでいた。 「か、駕籠屋。か、
茅場町だ。――」 跣足の歌麿は、通りがかりの駕籠屋を呼ぶにさえ、満足に声が出な....
「枯尾花」より 著者:関根黙庵
有る事を、何やらの随筆本で見たような気もする。 ◎これは些古いが、旧幕府の頃|南
茅場町辺の或る者、乳呑子を置て女房に亡なられ、その日稼ぎの貧棒人とて、里子に遣る....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
れた寺の門とその辺《へん》の貧しい人家などに対照して、私は俳人|其角《きかく》が
茅場町薬師堂《かやばちょうやくしどう》のほとりなる草庵の裏手、蓼《たで》の花穂《....
「深川の唄」より 著者:永井荷風
紙入《かみいれ》を出して、あざやかな発音で静かに、 「のりかえ、ふかがわ。」 「
茅場町《かやばちょう》でおのりかえ。」と車掌が地方訛《いなかなま》りで蛇足《だそ....