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茅花
「茅花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茅花の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
クシャ》、支那で上茅と訳する草の葉だろう。本邦で茅を「ち」と訓じ「ち」の花の義で
茅花を「つばな」と訓《よ》む、「ち」とは血の意で昔誰かが茅針《つばなのめ》で足を....
「若菜のうち」より 著者:泉鏡花
姉妹らしい二人づれ。……時間を思っても、まだ小学校前らしいのが、手に、すかんぼも
茅花も持たないけれど、摘み草の夢の中を歩行くように、うっとりとした顔をしたのと、....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
や鳶は、むしゃむしゃと裂いて鱠だし、蝸牛虫やなめくじは刺身に扱う。春は若草、薺、
茅花、つくつくしのお精進……蕪を噛る。牛蒡、人参は縦に啣える。 この、秋はまた....
「野道」より 著者:幸田露伴
とであった。まさかオンバコやスギ菜を取って食わせる訳にもゆかず、せめてスカンポか
茅花でも無いかと思っても見当らず、茗荷ぐらいは有りそうなものと思ってもそれも無し....
「日輪」より 著者:横光利一
を造って、静々と屍を踏みながら進んで来た。彼らの連なった楯の上からは油を滲ませた
茅花の火口が鋒尖につきささられて燃えていた。彼らは奴国の陣営真近く迫ったときに、....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
から、駈出して見物に行くほどの事もなさそうなもんだけれど、私は何だ。…… 董、
茅花の時分から、苗代、青田、豆の花、蜻蛉、蛍、何でも田圃が好で、殊に二百十日前後....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
井銀行の扉の秋風をついて出し 静廼 (ヘ)雪をおとしてドサと着きけり丸善の荷
茅花 (ト)初鮭や部下のアイヌの兵士より みどり 三井銀行の大建築の重い扉....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
た。 「どうぞ」 と女学校の先生が促した。鈴子は恥ずかしそうにしていたが、 「
茅花ぬく浅茅が原の壺すみれ今さかりなり吾が恋うらくは」 「壺すみれはいいね。可憐....
「博多人形」より 著者:竹久夢二
した。夜寝る時でさえ、そっと傍へ寝かしてやるほどでした。 ある日お磯は、牧場へ
茅花を摘みにゆきました。やはりいつものように右の手には御気に入りの人形が抱っこさ....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
歌に 山ぶきの咲きたる野辺《のべ》のつぼすみれ この春の雨にさかりなりけり
茅花《つばな》抜く浅茅《あさぢ》が原のつぼすみれ いまさかりなり吾《あ》が恋....
「明暗」より 著者:岡本かの子
…ま、とにかく茲へ坐りましょうよ。休みながらお話しましょう」 智子はやや呆けた
茅花の穂を二三本手でなびけて、その上に大形の白ハンカチを敷いた。そして自分は傍の....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
るを山のおこんと名づけて、引きつれて下に屈み、とも/\つばな抜こ/\と言ひつつ、
茅花抜くまねびをしてはてに鬼に向ひ、人さし指と大指とにて輪をつくり、その内より覗....