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「茫茫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

茫茫の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
を張って歪んでいた。侵略された内部の皮膚は乾燥した白い細粉を全面に漲らせ荒された茫茫たる沙漠のような色の中で僅かに貧しい細毛が所どころ昔の激烈な争いを物語りなが....
旅愁」より 著者:横光利一
隣りの客の顔さえ朧だった。その他の客の姿など少しも見えず、ただ男女の声だけ聞える茫茫とした霧の中に、朝日に映えた薄紅色の山の雪の明るさが射し透った。 矢代はい....
築地の川獺」より 著者:田中貢太郎
が来ないので一人で歩いて帰り、釆女橋まで往ったところで、川が無くなって一めんに草茫茫の野原となった。彼女ははっと思って立ちすくんだ。彼女も川獺の悪戯のことを知っ....
西航日録」より 著者:井上円了
のは、多く垢衣跣足、東洋然たる風致あり。 今日の旅汽車にて走る太平洋 雲烟漠漠望茫茫、水遠村遥鉄路長、露北荒原闊於海、宛然陸上太平洋。 (雲ともやが遠くつらなり....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
の演習あり。終日陸端を見ず、また船舶に会せず。晩来、天ようやくはれ、星文を見る。茫茫波上望難。 (ひろびろとした波の上では一望しても何もわからず、山かと思えば山....
仙術修業」より 著者:田中貢太郎
の端が野馬の首にかかると力を込めて地上に引き倒し、己の馬を棄ててそれに飛び乗り、茫茫たる曠原の上を疾走して馬の野性を乗り減らした。 四川省の白竜山と云う山の中....
幼年時代」より 著者:室生犀星
。毎年六月の若葉がやや暗みを帯び、山山の姿が草木の繁茂するにしたがって何処となく茫茫として膨れてくるころ、近くの村落から胡瓜売のやってくるころには、小さな瀬や、....