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茶の間
「茶の間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茶の間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
った。けれども「離れ」へはいることはどうも彼には無気味だった。
それから重吉は
茶の間の隣りにやはり床に就いている姑《しゅうとめ》のお鳥を見舞うのだった。お鳥は....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
皺《しわ》だらけな顔には、別人のような悦《よろこ》びが輝いた。
十四
茶の間の方では、癇高《かんだか》い妻のお百《ひゃく》の声や内気らしい嫁のお路《み....
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
る。)野田の家《うち》の玄関へ走りこんだ。家の中は勿論ひっそりしている。Nさんは
茶の間《ま》へ顔を出しながら、夕刊をひろげていた女隠居にちょっと間《ま》の悪い思....
「冬」より 著者:芥川竜之介
していた。………
それからもう何年かたった、ある寒さの厳しい夜、僕は従兄の家の
茶の間《ま》に近頃始めた薄荷《はっか》パイプを啣《くわ》え、従姉と差し向いに話し....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
な気色《けしき》はなかった。彼女は婆さんとも口を利《き》かず、大抵《たいてい》は
茶の間《ま》にたった一人、鉄瓶のたぎりを聞き暮していた。
するとそこへ移ってか....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
目の客は年の若い仏蘭西《フランス》文学の研究者だった。自分はこの客と入れ違いに、
茶の間《ま》の容子《ようす》を窺《うかが》いに行った。するともう支度の出来た伯母....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
ように「お前、もう十二時ですよ」と言った。成程十二時に違いなかった。廊下を抜けた
茶の間にはいつか古い長火鉢の前に昼飯の支度も出来上っていた。のみならず母は次男の....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
一は書き損じた紙を噛み噛み、店の後《うしろ》にある台所へ抜けて、晴れた日も薄暗い
茶の間《ま》へ行った。
茶の間には長火鉢の上の柱に、ある毛糸屋の広告を兼ねた、大き....
「死後」より 著者:芥川竜之介
をはいることは勿論、玄関から奥へはいることも全然不徳義とは感じなかった。
妻は
茶の間の縁側《えんがわ》に坐り、竹の皮の鎧《よろい》を拵《こしら》えていた。妻の....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
関から一間《ひとま》置いた向うにある、書斎の唐紙《からかみ》をあけました。これは
茶の間へ行く間に、教科書其他のはいっている手提鞄《てさげかばん》を、そこへ置いて....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
、――何《なん》でも常子の話によれば、彼は犬のように喘《あえ》ぎながら、よろよろ
茶の間《ま》へはいって来た。それからやっと長椅子《ながいす》へかけると、あっけに....
「或る女」より 著者:有島武郎
くちびるをかんでいた。
やがて細君がおどおどしながら立ち現われて、まずと葉子を
茶の間《ま》に招じ入れた。それと入れ代わりに、書斎では内田が椅子《いす》を離れた....
「或る女」より 著者:有島武郎
だった。つや(彼女の名はつやといった)は階子段《はしごだん》下の玄関に続く六畳の
茶の間から始めて、その隣の床の間付きの十二畳、それから十二畳と廊下を隔てて玄関と....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
に目をさました「てつ」は前後の分別を失ったとみえ、枕もとの行灯をぶら下げたなり、
茶の間から座敷を走りまわった。僕はその時座敷の畳に油じみのできたのを覚えている。....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
の誰かの妻だったことを知り、驚いて体を起すが早いか、丁度梯子段の前にある、薄暗い
茶の間へ顔を出した。すると妻は突っ伏したまま、息切れをこらえていると見え、絶えず....