茶を濁す[語句情報] » 茶を濁す

「茶を濁す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

茶を濁すの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
が悪くなったから、御馳走して貰って悪口いうちゃ済まんなあ。失敬々々。こう云ってお茶を濁す。穏かな岡村も顔に冷かな苦笑を湛《たた》えて、相変らず元気で結構さ。僕の....
行人」より 著者:夏目漱石
せて、「さあそれで好い。御父さんから旨《うま》いものをちょうだいして」とやっと御茶を濁す事もあった。お重はそれでも腹が癒《い》えなそうに膨《ふく》れた頬をみんな....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
す形勢をわるくするのも愚《ぐ》である、いっその事彼に自分の手柄話をしゃべらして御茶を濁すに若《し》くはないと思案を定《さだ》めた。そこでおとなしく「君などは年が....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
るまい。科学と芸術、科学と宗教、云々と並べて見た処で、ありふれた連関づけをしてお茶を濁す他に知恵は出ないだろうと思う。夫によって広く科学というものに就いての見解....
探偵小説とは」より 著者:坂口安吾
、勢い推理小説以外の怪奇小説とか、スリル小説、ユーモア探偵というようなもので、お茶を濁すということになる。 江戸川乱歩氏などは、日本の探偵作家に稀れな論理的な....
「二銭銅貨」を読む」より 著者:小酒井不木
ーではないが、持って生れた悪戯気分がむらむらと頭を持ち上げて、大胆にもこうして御茶を濁すことになったのである。誠に仏国革命政府の眼をくらまして、貴族を盗み出す以....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
人《ひと》がありとすれば、そは自己の意志なきものである。何人《だれ》にも程よくお茶を濁すものは、憎まれもせぬ代りにはびこりもせぬ。実際の事にあたり仕事するものに....
S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
面白くないが、どこをどうしていゝかわからぬまゝに、まあまあ、こんなことだろうとお茶を濁すことになるのです。 西洋式建築は冬寒くて夏暑いと言い、西洋寝台は長く寝....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
出版。 しかし、これはおかしい程売れず、結果、学校、官庁、団体への大量寄贈でお茶を濁すなど、うわべは体裁よかったが、思えば、醜態だったね。だいいち、褒めるより....
歴史的探偵小説の興味」より 著者:小酒井不木
思うと何にも書けない。これが犯罪学に関したことなら、参考書と首っ引きで、相当に御茶を濁すことが出来るが、歴史的探偵小説を研究した参考書などは一冊もなく、ただもう....