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茶亭
「茶亭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茶亭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
、美青年の紳士であった。ある日曜日の朝のうち真佐子と女の子を連れて、ロマネスクの
茶亭へ来て、外字新聞を読んだりしていた。その時すぐ下の崖の中途の汚水の溜りから金....
「黒髪」より 著者:近松秋江
した。私は、山の方に上がってゆく静かな細い通りを歩いて、約束の、真葛ヶ|原のある
茶亭の入口のところに来てしばらく待っていた。そこは加茂川ぞいの低地から大分高みに....
「老年と人生」より 著者:萩原朔太郎
慾を一つの生活気分として、客観的にエンジョイすることの興味を知った。昔の僕には、
茶亭に芸者遊びをする中年者の気持ちが、どうしても不思議でわからなかった。しかし今....
「細木香以」より 著者:森鴎外
香以は已むことを得ぬので、人に託して後藤と茶弘との和解を謀った。二人は久保町の売
茶亭に会見して、所謂手打をしたそうである。これは香以が四十五歳の時の事である。後....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
だった。せんだん橋を渡り、川の土手にそって一丁ばかり上ると、その左手に、旧藩主の
茶亭のあとがあり、そこの庭園は誰でも自由にはいれることになっていた。五人はその庭....
「決闘」より 著者:神西清
連中が蒸暑かった前夜の汗を落しに海にひと浸りして、やがてお茶かコーヒーでも飲みに
茶亭へよる時刻である。イ※ン・アンドレーイチ・ラエーフスキイという二十八ほどの、....
「淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
や山女魚が数多く棲んでいるであろう、ということである。だから、朝鮮人の駕籠かきや
茶亭の老爺に様子をたずねてみたのであるけれど、魚類というものは、何もいないという....
「申訳」より 著者:永井荷風
へ逃げだした。後になって当夜の事をきいて見ると、春浪さんは僕等三人が芸者をつれて
茶亭に引上げたものと思い、それと推測した茶屋に乱入して戸障子を蹴破り女中に手傷を....
「西航日録」より 著者:井上円了
、活版印刷器械の歴史的材料を収集せり。最後に、当港にて名高き「三人娘」と名づくる
茶亭に休憩す。この
茶亭に三人の女子あり。郵船会社の汽船この港に往復するに及び、日....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ンガムに至る。時すでに冬季にせまり、寒潮岸を洗い、浴客あとを絶ち、埠頭寂寥たり。
茶亭に一休し、温湯に一浴して帰る。海上は茫として、風光の目に入るなし。往復二十五....
「撥陵遠征隊」より 著者:服部之総
さる御方と御見受けしてと前置があって、某日フェロン師が、オッペルトへ、上海租界の
茶亭の一隅で、ひどくもったいぶった説教だった。 「これからおはなししますが、最....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
た。一夜《いちや》翁がわたくしを案内して、西銀座の裏通にあって、殆ど客の居ない万
茶亭《ばんさてい》という喫茶店へつれて行き、当分その処を会合処にしようと言ったの....
「六日月」より 著者:岩本素白
て居れば何時通っても楽しいところである。八つ橋、豆板、京洛飴、或はかまとした角の
茶亭の白けた灯を右に見て、高台寺の方へ歩いて行く。 大雅堂跡の碑のある辺は、木....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
慢に似たれど、これも自分の造庭でおざる。……おうここらで、茶など一碗献じようか。
茶亭のしたくはよかろうな。土岐どのは、先へ行け」 左近の姿が、木立の中の小道に....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
しきりと、お気にかかるのでしょう。仰せ出しの時刻よりもちと早く、すでに、吹上のお
茶亭へお渡りになり、ただお一人で、越前はまだかと、再三の御催促なので」 「ありが....